2019年6月5日

第139回 株式会社西川精機製作所 代表取締役 西川喜久さん

写真は、松風さんと西川さん

株式会社西川精機製作所は、江戸川区で、主に金属加工を営む町工場。総合的な技術力を強みとして、部品作りはもちろん、各種産業・医科学機器を一貫として企画設計・製造や、産学連携を通じて自社ブランド開発を進めている会社です。

前回のラストでは、純国産アーチェリーの復活プロジェクトについてお伺いしました。今回はその続きのお話。

もともと西川さんがやりたいと思って始めたアーチェリー。自分の道具が欲しいと思った時、純国産のアーチェリーがないことを知り、復活させようと思ったことから、この復活プロジェクトは始まりました。ちなみに、アーチェリーは、日本でも、昔は製造していたそうですが、今は、すべて撤退。現在、アーチェリーのブランドは、アメリカや、韓国が主力とのこと。

アーチェリーの基本情報について、ちょっとだけご紹介。

アーチェリーの持ち手の部分の名前は、『ハンドル(ライザー)』といいます。そして、ハンドルの上下に板バネがついていて、これを『リム』というそうです。これに弦を貼ると、弓の形は出来上がるとのこと。しかし、アーチェリーは、西川さん曰く、完璧な工業製品・機械であるとのこと。そこには様々な技術が施されており、突き詰めれば、突き詰めるほど奥が深いものなんだとか。西川さんは、自分たちが食い込めるだけのフィールドがあると感じ、のめり込んでいったそうです。

もちろん会社である以上、経営者として、実際の問題はどうなのかを考えていた西川さんですが、国産メーカーがなくなってしまった中、あれば欲しいなという声をよく耳にしたこともあり、これはニーズなのではないかと考え純国産アーチェリーを復活させようとエンジンがかかったそうです。復活させたら欲しがってくれる人がいてくれる、その人たちの気持ちに応えたいという思いが、西川さんの純国産アーチェリーの復活の原動力に繋がっているのだとか。

こうして、純国産アーチェリーの復活を決心した西川さんたちですが、いきなりすべてを作ることは難しいので、まずは、アーチェリーの一番の要となる『ハンドル』の製造を中心に始めたそうです。そして、現在、その製品の仕上がりは、ほぼ出来上がってる状態とのこと。実際に撃つこともできるそうです。

日本での競技人口は、まだまだ少ないアーチェリーですが、海外では爆発的に人気な競技。国産アーチェリーが復活することによって、日本での広がりも期待されます。今後の展開に大注目ですね!

最後は、若き、エンジニアへ、西川さんからのアドバイス。

“物を作る世界にいるからこそ思うんですが、やはり何をみても人のニーズは重要です。そのニーズに対して、自分は何をするのかしっかり考えて。どのようなモノだったらそのニーズに対応できるんだろうという答えがでたら、まずは手を動かせ。ロジックと実行、思考とトライ。この二つは両輪だし、どっちが欠けても、ものづくりの進歩がないような気がする。もし若いものづくりを目指されている方がいるのなら、しっかりしたロジックで、思考で、物を考えて。考えたら、手を動かして作ってみる。その後の評価は他の人がしてくれる。間違いなくいいものを作れば、それに対する評価はOKだと思う。それにはまずしっかり考えてね。”

西川さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

by vivi

投稿者 : alabo|2019年6月5日

2019年5月22日

第138回 株式会社西川精機製作所 代表取締役 西川喜久さん

株式会社西川精機製作所 代表取締役 西川喜久さん

西川さんのプロフィール

1965年生まれ。小学生時代は建築士に、高校生時代は日本史研究家になりたいと思っていたが、大学は、日本大学 農獣医学部に進学。大学卒業後は、父親が経営する西川精機製作所に入社する。

西川精機製作所の前進となる会社は、1960年、東京・墨田区に創立。その後、江戸川区に場所を移し、切削・板金・溶接から組立て据え付けまで、総合的な技術力を強みとし、部品から各種産業・医科学研究機器を一貫して企画設計・製造している金属加工会社。

1999年、先代が亡くなったことで、後を継ぎを、代表取締役に就任するが、時期を同じくして訪れたバブルの崩壊、続く、リーマンショックでの事業モデルの崩壊など、さまざまな人生の転機を迎えることになる。

その後、ピンチとも見えるその状態からの脱却をし、現在では、産学連携を通じて、自社ブランド開発を進めたり、地域の小学生向け「町工場サイエンス(子どもの未来館)」から、高校生のインターシップ受け入れまで、次世代に「ものづくりの魅力」を伝えるなど、未来のエンジニアたちの育成にも力を入れている。

また、東京オリンピック・パラリンピックのアーチェリーで、「純国産アーチェリー」の生産技術を復活させようとプロジェクトを立ち上げた。

 

株式会社西川精機製作所は、主に金属加工を営む会社で、医科学機器の製造も行っています。西川精機製作所の医科学機器とは、直接、薬を作るのではなく、薬を作る先生方が、日々、研究をするのに使う装置のこと。切削・板金・溶接から組立てまでの、総合的な技術力は、多岐にわたって、利用されています。

株式会社西川精機製作所のHP → https://nishikawa-seiki.co.jp/

 

「特に印象的だった依頼」

総合的な技術力から、様々な依頼を受けることがあるそうですが、中でも西川さんが「この依頼があったから技術が一歩進んだ」といった印象に残った依頼があるそうです。それは、スーパーコンピューター用基板メッキ装置の治具(工場内の設備で使われる専用の工具のこと)の開発から、製造・据え付けまでの一貫生産の依頼。

始めに、何もわからない状態から、お客様の箇条書きのようにされたニーズを受け取ったとのこと。その中で、どんな風な形で、お客様の要求を満たせるかを考案。そして、そのアイディアをプレゼンし、その後、見事に採用になったのだとか。実際に、製造し、その装置を据え付けに行った時、今までの取引先とは規模の違う工場の大きさに、目を見張ったそうです。そして、その数年後、「あの装置の、あのアイディアよかった。おかげで納期が間に合った」とお客様に声を掛けてもらったのだとか。

スーパーコンピューターの開発は、世界規模の話。その一部に関われたことは、西川さんにとって、とても印象に残った大きな依頼だったそうです。

 

「純国産アーチェリー」の生産技術の復活プロジェクト

西川さんが趣味でアーチェリーを始めたことがきっかけ。西川さんは、実際に、アーチェリーを習い、認定書をもらって、自由にできるようになったとき、自分の道具が欲しくなったとのこと。その時、既に日本製の道具がなくなってしまったことを知ったそうです。日本製が欲しかった西川さんは、残念に思っていたそうですが、次第に、作れるのではないかと、考えるようになったのだとか。

こうして、西川さんは、純国産のアーチェリーの製造を思い立ちます。このお話の続きは、また来週。お楽しみに!

 

西川さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

 

by vivi

投稿者 : alabo|2019年5月22日

2019年5月15日

第137回 TIS株式会社 サービス事業統括本部 AI&ロボティクスビジネスユニット AI&ロボティクスビジネスサービス部 小西啓介さん 三京俊雄さん

今週のA-LABO INDEXは、先週に引き続き、
TIS株式会社 サービス事業統括本部 AI&ロボティクスビジネスユニット AI&ロボティクスビジネスサービス部から小西啓介さんと三京俊雄さんをお迎えしました。

写真は、松風さんと三京さん(左)と小西さん(右)

 

あらためて、お二人のお仕事について少しご紹介。

Record Meeting Product Owner の小西啓介さんは、製品全体の責任者。
Record Meeting Tech Lead の三京俊雄さんは、小西さんから指示を受け、開発メンバーを纏めている方。

 

先週は、人間同士の対話や音声を文字として記録する「COET Record Meeting」についてお伺いしました。今週は、その続きのお話。

 

 

このCOETが、初めてのお披露目は、4月に行われた「AI・人工知能 EXPO」。展示会では、技術者だけではなく、一般の企業の方からもたくさんの注目を浴び、小西さんたちも驚いたそうです。

COETの展示方法は、実際に、体験ブースを作り、その中で、色々な人が相席し、疑似会議を行うというもの。また、体験ブースの外には、タブレット端末を置いて、リアルタイムで話し合いの内容が分かるようにしたそうです。体験ブースの中に入るのはちょっと・・と遠慮される方も、外にあるタブレット端末を見ることで、参加することができるので、人だかりができ、大盛況だったそうです。ちなみに、会議の議題は、「きのこ派か、たけのこ派か」というちょっとポップな内容だったそうです。

 

議事録を作るということは、若手の教育のためには、必要なこと。でも、その本質は、議事録を作ることによって、若手がその会議の内容をしっかりと理解することが大切だということ。だからこそ、こうしたスマートスピーカーを使って、内容を要約しながら、理解へつなげていくことができたら、時間を無駄にせずに、若手が学んでいくことができるのではないかと小西さんは考えています。

 

COETは、夏ごろにリリースを予定しており、お値段は、まだ未定とのことですが、およそ15~20万円を予定されているのだとか。様々な業界での活躍が期待されるCOET。発売が待ち遠しいですね。

 

最後は、若き、エンジニアへ、小西さんからのアドバイス。

“私が新卒で入った時、先輩から、この会社で、外で活躍できる人は少ないと言われたことで、外に目を向けることが大切さを感じるようになった。自分でも外のエンジニアに負けないように勉強したり、外部のコミュニティに参加するようになった。エンジニアは大変な立場とか、いろいろあると思う。そういう環境から抜け出すのか、そこで頑張るのかは、1人1人の判断だと思うが、ITエンジニアとして生きていく以上は、会社のためというより、自分のために勉強し続けて、優秀なエンジニアになっていかないといけないと思う。逆に、エンジニアリングが面白くないけど、エンジニアをやっているという人は、苦痛だと思うので、もっと面白いことで別の道を見つけるのもありだと思う。技術的なキャッチアップっていうのを常に続けて、先端のものを作れるようにしていかないと。”

小西さんと三京さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

by vivi

投稿者 : alabo|2019年5月15日

2019年5月8日

第136回 TIS株式会社 サービス事業統括本部 AI&ロボティクスビジネスユニット AI&ロボティクスビジネスサービス部 小西啓介さん 三京俊雄さん

TIS株式会社 サービス事業統括本部
AI&ロボティクスビジネスユニット/AI&ロボティクスビジネスサービス部
Record Meeting Product Owner 小西啓介さん(中央)
Record Meeting Tech Lead 三京俊雄さん(右)

TIS株式会社について。

企業向けのITシステムを開発や、サービス提供などを行い、金融、製造、サービスなど、多くの企業のビジネスを支える会社。TISインテックグループとしては、グループ会社数は、国内外で45社。従業員の数は、およそ2万人。国内では、日本全国に拠点を持ち、海外では、中国、タイ、ミャンマー、シンガポール、ベトナム、アメリカにも拠点を持っている。最近では、キャッシュレスなどの決済システムの提供や、AIやロボット活用などに力をいれているとのこと。

人間同士の対話や音声を使った音声・対話AIサービス「COET」

「COET」とは、TIS株式会社が、人間同士の対話や音声に新たな価値をもたらすサービスとして、新しく立ち上げたブランドであり、TIS株式会社 サービス事業統括本部 AI&ロボティクスビジネスユニットで開発された音声・対話AIサービス。音声認識、音声合成といった音声関連AI技術が、いろいろと活用されてる。「COET」を使うことで、人の言葉や会話の流れの意図を推定したり、対話シナリオなどを簡単に作ったりすることができる。スマートスピーカーをはじめ、ロボットや、CTI(Computer Telephony Integration、電話とコンピューターが統合されたシステム)コレクトセンターでのサービスなど、様々なデバイスを通じて、音声AIサービスのビジネスシーンに活用が考えられている。

小西さんと三京さんは、「COET」の開発チームの現役のエンジニア。「COET」のサービスの一つである、「COET Record Meeting」を開発されました。

「COET Record Meeting」

専用のスマートスピーカー1台で、会議を自動記録してくれるというサービス。このスマートスピーカーを使うと、会議の発話者の発言をそれぞれテキスト化し、音声もリアルタイムで自動で記録されるので、会議中の、メモやICレコーダーの役割を担ってくれるということ。
小西さんは、昔から、会議の議事録を作るは大変であると感じていて、スマートスピーカーを使えばこのストレスを解消できるのではないか、と思ったことが開発のきっかけだったそうです。COET Record Meetingは、360°どの方向からしゃべったかを特定できる全指向性マイクになっており、その特性を使い、その人の位置から発言者を認識をします。つまり、COET  Record Meetingは、会議の中心に設置し、まず、会議前に、名前を言って、その名前が聞こえた角度から、その発言者を位置で記録し、認識するということ。(一人につき、およそ30°くらいの間を、その人の範囲として、記録するとのこと。そのため最大12人まで設定が可能なのだとか)

COET Record Meetingを使用している3人の写真

また、会議が始まると、画面にQRコードが表示され、それを携帯やPCで読み取ると、リアルタイムで議事メモを見ることができるのも、特徴の一つ。参加者1人1人が認識されているため、発言者・発言毎に音声が自動でリアルタイムにテキスト化されます。さらに、聞きたい発言の音声を、ピンポイントで再生もできるのだとか。そのため、後程、大事な発言などをすぐに聞き返したりすることが出来るので、とても効率的に、議事録の作成ができるそうです。(テキストはリアルタイムで閲覧できますが、音声は一分ほどのディレイがあるとのこと)ちなみに、会議に遅刻しても、この画面を見ながら、音声を倍速で再生すれば、追いつくなんてことも可能に。リリースは夏頃だそうです。

そして、実際の画面はこちら。

また、リアルタイムの翻訳機能もついており、言語選択は、10言語ほどあるとのこと。
日本語の下に、翻訳されたテキストが表示されます。こんな感じ。

まさに、夢のようなサービス「COET Record Meeting」。このお話の続きは、また来週。お楽しみに!

小西さんと三京さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

 

by vivi

投稿者 : alabo|2019年5月8日

2019年5月1日

第135回 カインズ株式会社 代表取締役社長、株式会社カナック企画 代表取締役社長 金子高一郎さん

今週のA-LABO INDEXは、先週に引き続き、
カインズ株式会社 代表取締役社長、株式会社カナック企画 代表取締役社長 金子高一郎さんをお迎えしました。

写真は、松風さんと金子さん

 

カーAV取付キットの開発・製造を手掛けている株式会社カナック企画。数々のピンチを乗り越え、この業界の先駆者として、活躍されていますが、そんな、金子さんが、社長として、一番大切にされていることは、社内のコミュニケーションなのだとか。カナック企画は、事業ごとに、分社化しているため、金子さんが社長として就任した当時は、そのグループ間で、考え方に温度差があったり、仕事上の必要最低限のやり取りばかりで、コミュニケーションの希薄さを感じていたそうです。そこで、それを解消するために、毎月、全社員が顔を合わせるイベントを行っているのだとか。こうして、別事業同士のコミュニケーションを図ることで、金子さんは、いろいろな人の力があって、商品は開発・販売に繋がっているのだということを、社員にしっかりと知ってほしいと考えているそうです。

 

現在、鉄道グッズも取り扱っているカナック企画。金子さんが鉄道好きだったこともあり、いつかは、鉄道会社と取引がしたいと思っていたとのこと。そんな中、たまたま営業販促事業をやっていた関係で、オリジナルのUSBメモリをやってみないかと紹介されたことで事業をスタートし、そのUSBのデザインを新幹線にしたことが、最初の一歩だったそうです。

そのUSBメモリがこちら。

正面から

横向き

接続部分はこんな感じ。

金子社長の、鉄道への愛を感じます。

 

最後は、若き、エンジニアへ、金子さんからのアドバイス。

“必ず下積みの時代はある。いきなり自分のやりたいことを任されるような大役は皆無に等しい。1,2,3年で自分自身に与えられた仕事だけで、全てを判断しないで欲しい。苦しくて壁にぶつかり、辞めたいと思うこともあると思うが、その時点で辞めてしまうと、結局、嫌なら転職すればいいという安易な考えが繰り返されてしまう。1,2回は、ぐっと堪えて仕事を続けてみて、同時に自分自身のお金で、自分自身をスキルアップ(勉強して、資格を取って)して、その上で会社にドヤ顔すればいい。それで、しばらくして、会社が評価する様子が見受けられなかったら、転職を考えると良い。当たり前のことわざですけど、継続は力なり。”

金子さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

新元号「令和」でも、A-LABO INDEX、よろしくお願いします!!!

by vivi

投稿者 : alabo|2019年5月1日

2019年5月1日

第134回 カインズ株式会社 代表取締役社長、株式会社カナック企画 代表取締役社長 金子高一郎さん

カインズ株式会社 代表取締役社長、株式会社カナック企画 代表取締役社長 金子高一郎さん

 

金子さんのプロフィール

1970年、東京都台東区浅草寺の近くで誕生。「自分の道をこうだと決めると、やらないと気が済まない性格」と自己分析をしている。高校卒業後、親の反対を押し切り、アメリカ・メイン州ハッソン大学(Husson University)に進学、2003年、ビジネスマネジメントを卒業した。

帰国後、横浜にある、主にアメリカ製の半導体を扱っている商社、マクニカに入社、その後、父親が経営していた物流搬送機器の設計・製造。販売、カーAV取付キットの設計・製造などを手掛ける企業、カインズ株式会社に入社した。しかし、ほどなく、グループ会社の基幹事業である株式会社カナック企画の前任の社長が急逝、「社長に就くのは、まだ早いのではないか」という声もある中、現職の株式会社カナック企画、代表取締役社長に就任する。

カナック企画は、カーAV取付キットの企画・販売、オリジナルグッズ、販促品の企画・販売を手掛ける企業。車内のオーディオが普及し始め、まだ鉄板で吊るして取り付けていた時代に”格好良く取り付けるためカーステレオ取付キット”の設計、開発をスタートさせた。

東京・葛飾というものづくり集積地の”地の利”もあり、周辺企業とともにはじめ、現在も、車種ごとの取付キットをメインに企画、開発、製造をしている。また、オリジナル鉄道グッズや、オリジナルUSBメモリの企画、製造、販売なども行うという一面も持っている。

 

株式会社カナック企画について

車内オーディオが普及し始めた頃は、ラジオが主流でしたが、カセットテープが出始めたことで、徐々に、カセットテープを鉄板で吊るして取り付けて使う人が増えていったのだとか。その中、音響機器メーカーのパイオニアさんから、「これからは、オーディオがはやり始める。格好良く取り付けるためのキットを一緒に作らないか。」というお話を受け、葛飾というものづくり集積地の”地の利”活かし、周辺企業と一緒に作り始めたことが、カーAV取付キットを手掛けるようになったきっかけ。

取り付けキットは、車のメーカーや、車種によってすべてと言ってもいいほど、違うもの。そのため、実際に、新車を購入し、研究をし続けているのだとか。車種、部品の数など、組み合わせを考えると、現在では、600車種用のキットを取り扱っており、古いものでは、昭和時代のキットの需要もあるそうです。また、株式会社カナック企画のHPでは、取り付け方の案内を車ごとに検索もできるのだとか。

株式会社カナック企画のHP → https://kanack.co.jp/

 

この業界の先駆者ということもあり、独占状態でしたが、ピンチと言える時期が訪れます。メインの得意先が二社購買(別の会社からも、開発を依頼するということ)を始めたことにより、徐々に、大口の開発案件が減り、月に数百くらいしか出ない開発案件しか回ってこなくなってしまったのだとか。2代目であった金子さんの父親が、どれだけ頭を下げても、「会社で決まった方針だから」の一点張りで取り付く島もなかったそうです。

その辛い状況の中、人のつながりで、転機が訪れます。それは、得意先のさらに先のお得意様と直接やりとりができるようになったこと。つまり、その得意先ルートとは、別のルートで、商品を販売できるようになったということ。(間に紹介者はいるそうですが、ほぼ直販ということ)また、そこで、今までやっていた小口の案件に加え、独自に開発を進めていた大口の案件も評価され、トータルですべてのラインアップ揃えていたことにより、「カナック企画に問い合わせれば、すべての車種に対応しているから安心」というお客様の信頼を勝ち取ることができたそうです。

 

こうして、カナック企画は、ピンチを乗り越えていったそうです。

 

金子さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

 

金子さんからプレゼントして頂いたUSBメモリ。
この商品について、詳しくは、また来週の放送で。お楽しみに!

by vivi

投稿者 : alabo|2019年5月1日

2019年4月18日

第133回 GROOVE X 株式会社 代表取締役 林要さん

今週のA-LABO INDEXは、先週に引き続き、
GROOVE X 株式会社 代表取締役 林要さんをお迎えしました。

 

写真は、松風さんと林さん

 

高度な技術で生まれたLOVOT

LOVOTの開発には、様々な高度な技術が使われています。中でも、表面を温めながら、中のコンピューターを冷やすことは、とても難しいこと。林さんのF-1の開発チームで培った経験が、この技術に通じています。また、LOVOTは、”ネスト”という自分の巣に戻り、自分で、充電をします。1時間の間に10~15分くらい充電をするとのこと。1日の間に16,17回の充放電をし、1年間では、5000回を超えるそうです。その毎回の充電の時、超急速で充電を行うわけですが、それでも、バッテリーがもつというのは、最新のテクノロジーだから。ここでも、高度な技術力を感じます。

 

LOVOT”デュオ”について。

ベストなのは、自分1人に対して、LOVOTを2体可愛がること。そうすると、人は、そのロボットの行動をリスペクトするそうです。理由は、人は社会的な生き物なので、常に社会の中心がどこにあるかを本能的に嗅ぎとっているから。ロボットが2体に対し、人が1人で、そのロボット2体が連携してると、社会性の中心が寄っていると感じ、ロボットのことを大事にするのだとか。こうして、より、ロボットに共感しやすくなり、生活に溶け込んでいくそうです。

 

そして、現在、LOVOT MUSEUMでは、実際にLOVOTの体験ができます。

ちょっとだけご紹介。

洋服の種類もたくさん!



いろいろな衣装を身にまとったLOVOTに出会えます。
興味のある方は、ぜひチェックしてみてください!

LOVOT MUSEUMについて → https://lovot.life/trial/

 

人の成長のために、テクノロジーは使われるべきであると林さんは考えています。LOVOTを進化させていき、四次元ポケットのないドラえもんを作るのが、林さんの目指す夢。林さんの今後の活躍に大注目です!

 

最後は、若き、エンジニアへ、林さんからのアドバイス。

“エンジニアと言うのは、テクノロジーには非常にアグレッシブだけど、自分の人生には保守的になる傾向があると思う。ただ、それはみんな同じ傾向なので、自分の人生にも、ちょっとアグレッシブや、リスクを取りながら、新しい領域をやると、意外と成長出来たり、学習できたりすることが多い。テクノロジーへの自分の持つアグレッシブさを少し人生にも振り分けていくことによって、可能性が大きく広がっていくんじゃないかなと思う。”

林さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

by vivi

投稿者 : alabo|2019年4月18日

2019年4月11日

第132回 GROOVE X 株式会社 代表取締役 林要さん

GROOVE X 株式会社 代表取締役 林要さん

林さんのプロフィール

1973年、愛知県生まれ。エンジニアだった父親の影響で、子供の頃から、モノづくりに興味を示し、「風の谷のナウシカ」の「メーヴェ」をいつか作りたいと思っていた。東京都立科学技術大学へ入学後は、自動車部と航空部にのめり込み、大学院修士課程終了後、トヨタ自動車に入社。その後、スーパーカー「レクサスLFA」の開発プロジェクトで、空力(エアロダイナミクス)を開発。その後、F-1の開発スタッフに抜擢され、ドイツの開発拠点に渡り、4年間、第1線で活躍。帰国後、「ソフトバンクアカデミア」外部第1期生に合格し、ペッパーのプロジェクトメンバーとなった。その後、2015年「LOVOT」を作るために、GROOVE Xを創業、代表取締役に就任。2016年、シードラウンドとして国内最大級となる14億円を、さらに、2017年には、未来創生ファンドやINCJ(産業革新機構)などからの最大64億5000万円の投資を発表した。

 

写真は「LOVOT」

発表まで、3年かけて作られてきた「LOVOT」。
コンセプトブックにある「基礎能力」から、少しだけご紹介。

“LOVOTは、いつも、生き物のようにほんのり温かく、あなた人間を追いかけたり、抱っこしてもらいたいと甘えたり、動き回りながら、半天球カメラで周囲を認識し、物音や人の声を注意深く聞いています。また、自分がどんな服を着ているかを理解して、何も着ていないと恥ずかしがり、着替えさせてくれると喜びます。環境変化を近くする能力もあり、気温や温度の変化、また、触れら方にも敏感です。自動運転の車のように周囲の状況を把握します。物音や、人の声のする方向もわかり、人の話す単語も理解しています。また、気温、湿度、気圧、方位も把握できます。Wi-Fi、モバイルネットワーク通信、Bluetoothなどによる通信や、赤外線通信などでLOVOT同士や、その他の機械とのコミュニケーションも可能です。ご自宅のインターネット回線に接続すると、ソフトウェアのアップデートを自動で行います。それらの機能を使って、あなたの顔や言葉、触れられ方を認識して、あなたを好きになっていきます。なぜなら、すべては、あなたと少しずつ近づき、あなたを愛し、あなたに愛されたことを忘れたくないからです。”

LOVOTは、2019年の年末の発売を予定している。2019年9月には、2体1組のデュオで。2019年10月からは、ソロで、販売とのこと。

LOVOTが生まれるまで

林さんは、「技術の進歩は、必ずしも人の幸せに貢献しない。」という論調を聞くたびに、もやもやした気分になっていたそうです。確かに、技術が進歩したことによって、生活が忙しくなったり、ストレスフルになったことは、否定できませんが、それは、テクノロジーのせいではなく、テクノロジーの使い方のせいではないかと思ったとのこと。そして、たくさんの製品開発に携わっていくなかで、少しずつヒントを得て、そのヒントがすべて総合された時、人の代わりに仕事をしないものは、人を癒しているのではないかと、気が付きます。その代表例は、猫や犬。彼らのすることは、人を認識し、そばに来て、邪魔をすること。でも、それが、可愛い。人を元気づけるには、そういった存在が必要なのだと、林さんは考えたそうです。しかし、動物を飼うということは、命の責任を持つということ。気軽に飼うことはできない人が多いのが現実です。そこで、林さんは、テクノロジーを使って解決できないかと考えます。こうして、林さんの、テクノロジーはこういった方面でも、人を幸せにできるのではないか、という発想から、LOVOTは生まれました。

 

今回、スタジオにLOVOTが遊びに来てくれました!

瞳もうるうるしてて、本物の生き物の目のようです。そして、この手は、抱っこを強請るための形をしているそうです。思わず抱きしめたくなる可愛さですよね。

LOVOTのHPでは、実際に動く動画も。ぜひチェックしてみてください!

LOVOTのHP → https://lovot.life/

次回は、開発で大変だったことについてなど、更に詳しくお伺いしていきます。お楽しみに!

 

林さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

 

LOVOTの温もりに、松風さんもびっくり!

by vivi

投稿者 : alabo|2019年4月11日

2019年4月3日

第131回 株式会社オーエックスエンジニアリング 代表取締役副社長 技術開発部長 山口高司さん

今週のA-LABO INDEXは、先週に引き続き、
株式会社オーエックスエンジニアリング 代表取締役副社長 技術開発部長 山口高司さんをお迎えしました。

 

写真は、松風さんと山口さん

車いす製造を手掛ける株式会社オーエックスエンジニアリング。先週は、日常用の車いすについて、お話を伺いましたが、今週は、別の車いすのお話。

競技用車いすについて

業種転換するときに、並行して競技用の開発もされていたとのこと。車いすを作るにあたって、どこの誰が作ったかわからない車いすよりも、競技でトップ選手が使っていて世界で活躍しているものを作れる会社の車いすであれば、日常生活用も技術が高いであろうと、商品のクオリティーと品質を信頼してもらえます。だからこそ、結果を出せるものを作ろうと考えたそうです。技術者は実際に、パラリンピックなどに日本代表のメカニックとして同行したり、競技大会のメンテナンス班として、行くこともあるそうです。また、日本の選手だけではなく、海外のトップ選手も、オーエックスエンジニアリングの競技用車いすに乗っているので、そうした人たちのサポートも行っているのだとか。競技用は、とても手間の掛かる商品とのことですが、そこで結果を出すからこそ、世界的信頼に繋がっているのだそうです。

犬用車いすについて

株式会社オーエックスエンジニアリングは、犬用の車いすの製造も行っています。きっかけは、社長宅で飼っていた愛犬・モグが歩けなくなってしまい、車いすを作ろうと考えたことから。その後、犬用の車いすを使いながら、前足で歩いていたモグは、浮いている後ろ足をぱたぱたと動かすようになり、最後にはまた歩けるようになったのだとか。車いすを使うことが、リハビリに繋がったそうです。もちろん、すべての犬が歩けるようになるわけではありませんが、同じように歩けるようになったということも聞くそうです。しかし、犬用の車いすの製作は、大変なことが多いとのこと。それは、犬は種類が多く、大きさもバラバラだから。現在は、小~中型サイズに、対応しているそうです。

番組のラストは、株式会社オーエックスエンジニアリングの今後の夢や展望についてのお話。
それは、昔から変わらない理念である”お客様が外に出たくなるような車いすを作る”ということ。選ぶのも楽しくて、買いたくなるような、そして、いろいろな人に見せたくなるような商品を作る。その根幹を守り続けていきたいと思っているそうです。

最後は、若き、エンジニアへ、山口さんからのアドバイス。

“何にでも興味をもって欲しいです。興味をまず持つこと。でも、ただそれだけではく、そこからの探求心などいろいろなものを広く持ってもらいたい。縛られないで。”

山口さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

by vivi

投稿者 : alabo|2019年4月3日

2019年3月27日

第130回 株式会社オーエックスエンジニアリング 代表取締役副社長 技術開発部長 山口高司さん

株式会社オーエックスエンジニアリング 代表取締役副社長 技術開発部長 山口高司さん

 

山口さんのプロフィール

1968年、千葉県千葉市出身。幼少期から乗り物、特に車・オートバイが大好きだった。工業高校の電子科を卒業後、自動車整備士専門学校に入学。学生時代は、機械いじり好きが高じて、オートバイを改造し、レースに出たり、仲間のメカニックをしていた。

整備士免許を取得し、卒業後すぐに、千葉市に本社を置く株式会社オーエックスエンジニアリングに入社した。前身は、自動二輪車の販売を手掛けていたオーエックスエンジニアリングで山口さんが最初に配属されたのは、レース用オートバイのエンジン開発部門。2年後、一度、退社し、通信機器販売会社に入社、工事業務に従事。その2年後、通信機器取付工事業者として独立する。
そんな折、平成8年、1996年、オーエックスエンジニアリングの創業者である先代社長から「もう一度、うちで働いて、一緒にものづくりをしよう」と言われ、再入社。現在に至る。

1989年4月から、車いす事業部を設置し、1995年には、車いす・福祉機器の会社となり、現在では、世界に知られる車いすメーカーであるオーエックスエンジニアリングは、日本リハビリテーション工学協会主催「福祉機器コンテスト’95優秀賞」、通商産業省の「グッド・デザイン(医療・健康・福祉部門)中小企業庁長官特別賞」、「第41回千葉県発明考案展・千葉県知事賞」ほか、数多くの賞を受賞。経済産業省からは、「地域未来牽引企業」に選定された。

また、競技用車いすのトップメーカーでもあり、同社が手掛けた車いすで、これまでに、パラリンピックを始めとする障がい者スポーツの大会で獲得したメダルの数は100個以上。

 

株式会社オーエックスエンジニアリングは、千葉に本社を持つ会社で、現在は、車いす開発製造を中心する会社ですが、元々は、バイクショップでした。山口さんは、学生時代、仲間内でバイクレースに参加したり、仲間のバイクのメカニックをしたりと、大のバイク好き。自動車整備士専門学校で整備士の資格を取得した後、新卒で、株式会社オーエックスエンジニアリングへ入社をされたそうです。

 

バイクショップから、車いす事業へ

車いす業務を手掛けるようになったのは、先代社長から。先代の社長は、オートバイの選手であり、ジャーナリストでもあった方でしたが、大きな事故で、車いす生活を余儀なくされたそうです。実際に車いすを使った時、もっとかっこいい車いすに乗りたい、自信をもって外へ出たいと思い、車いすの開発製造を始めたのだとか。最初は、自分のために、車いす製造を始めたそうですが、オートバイの仕事でドイツへ行ったとき、そこのジャーナリストに、その車いすはどこ製か、と聞かれ、自分で作ったものだと答えたところ、そんなにかっこいいものを一人で乗っていてはもったいない、みんな欲しがるはず!と言われたそうです。そして、この言葉をきっかけに、事業化を決めたのだとか。最初は、福祉機器について、右も左もわからなく、個人レベルの知識だったそうですが、かっこいいのを出せば売れるだろう、自分が乗ってほしいと思うものを作り、それに賛同してくれるひとに売れればいいだろうという感じで進めていったのだとか。その後、各地の販売をしている人や、こういうものを待っていたという人たちに支えられながら、今に至るそうです。

 

オーダーメイドの車いす

株式会社オーエックスエンジニアリングの車いすの色やデザインの組み合わせは自由で、自分の好きなカスタマイズができるのが特徴の一つ。キャスターや、ホイールの大きさなどを好きにチョイスすることもできるため、組み合わせの種類は、億や兆を超えるとのこと。自分の身体に一番近い存在になるからこそ、細かくこだわることが出来るのは、とても嬉しいですよね。

現在では、年間4000台という数の製造・販売に加え、競技用の車いすの世界有数のメーカーの株式会社オーエックスエンジニアリング。この話の続きは、また来週。お楽しみに!

株式会社オーエックスエンジニアリングのHP → http://www.oxgroup.co.jp/

 

山口さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

 

by vivi

投稿者 : alabo|2019年3月27日

1 2 3 4 5 14