2018年11月21日

第112回 一般財団法人 プロジェクションマッピング協会 代表理事 石多未知行さん

一般財団法人 プロジェクションマッピング協会 代表理事 石多未知行さん
プロジェクションマッピング協会のオフィシャルサイト → http://www.projection-mapping.jp/

石多さんのプロフィール

1974年9月17日、大阪生まれ。埼玉と長崎で育つ。両親は、オペラの声楽家でもあり、母親は、長崎の波佐見焼という陶芸の窯元だった。小学校1年~2年の頃に、絵のコンクールで賞をとり、そこから、絵に興味を持つようになる。高校時代から、美術やデザイン系の学校に通い、武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科に入学。(デザイン科は、舞台美術や環境都市計画、インテリア、ディスプレイ、ファッションなど、幅のある学科だった)大学3年の頃から、プロジェクターを使い、映像と連動させたパフォーマンス的表現などをやっていたとのこと。その後、様々なアートと混じりあうイベントや空間演出を行い、2005年、映像アーティストとして、ロンドンへ。その中、日本へ帰国する前に出逢ったのが、プロジェクション・マッピングだった。(プロジェクターからの映像を建物や立体物に投影し、それに合わせて、映像を配置、マッピングさせるというパフォーマンス)石多さんは、建物に対して、完璧に作り込まれている作品を見て、日本に広めたいと思ったとのこと。帰国後、2010年に、当時、住んでいた逗子にある小学校で、プロジェクション・マッピングのパフォーマンスを行い、そのパフォーマンスは、市長、役員、PTAから好評を得る。よりステップアップさせていこうと、2011年に、周りのクリエイターとともに、「プロジェクション・マッピング協会」を設立する。
その年から、逗子メディアアートフェスティバルというアートの祭典をスタートさせる。2012年に、日本、そして、アジアで唯一のプロジェクションマッピングの国際祭典、「1minute projection mapping」を開催。2015年からは、逗子を飛びだし、新潟や、長崎のハウステンボスへ。来年1月には、荘厳な雰囲気を纏った現代建築「宮崎県立美術館」の建物を舞台に行う。→ http://1minute-pm.com/info/
一方、逗子では、2015年からは、海の波を光として見ることができる「NIGHT WAVE」、光の波プロジェクトをスタートさせる。逗子市から、葉山町、鎌倉市へと波及したこのイベントも注目を集めている。→ http://night-wave.com/

プロジェクションマッピングとは。
プロジェクションは、映写、マッピングは(映像を)配置、はめ込んでいくという意味。建物の形状に合わせ、ゆがみを計算し、投影することで、その建物自体が、光ったり、動いたりするように感じるイリュージョンを起こすことができるという仕組み。映写の技術は、昔からありましたが、それは平らな場所への投影であたり、使うプロジェクターは大きなものでした。しかし、現代では、コンピューター技術の進化によって、凹凸のある場所への投影も可能であり、また、使うプロジェクターも小型化しているとのこと。様々な場所に投影することは、クリエイター達の新しい発想が生まれることに繋がるため、プロジェクションマッピングというものを自然と手掛ける人が増えてきたそうです。

石多さんが手がけたプロジェクションマッピング
プロジェクションマッピングはヨーロッパで広がった技術。そのため、ヨーロッパを真似する人が多かったそうですが、石多さんは、誰の真似でもない日本的で、オリジナルなものを作りたいと考えたのだとか。こうして、最初に生まれたのが、『龍馬伝』に登場した龍馬の家へのマッピングでした。

『龍馬の家』への投影 → https://www.youtube.com/watch?v=JmyASt8eKQ4&feature=youtu.be
石多さんは、龍馬の家にプロジェクションマッピングをしてほしいという依頼を受け、作品を手掛けることになります。まず、建物は、黒い木の家で、映像がのせることができなかったため、他に良い場所はないかを探したそうです。その時、居間にある、大きな障子を見つけます。
畳の上に足を伸ばしながら、障子という日本ならではのスクリーンで観ることは、とても日本的ではないかと、石多さんは考えたとのこと。そして、障子の格子のデザインを利用したり、障子の裏側に本当に人がいるような影絵のような表現をしたりして、日本的でオリジナルな作品を作ったそうです。

数多くの作品に携わってきた石多さんですが、『できない』無茶な要望を受けたこともたくさんあり、苦労することも。しかし、無理だと言ってしまえば、そこで終わりになってしまうので、それよりも、こうしたほうがいいという提案をすることを大切にしているそうです。

また、同じような作品ばかりでは、飽きられてしまうため、毎回新しい発想を出し、新しいものに取り組んで、みんなが今まで見たことのないものや、驚きのある演出を常に考えていくことが使命であると石多さんは、考えています。
しかし、クライアントからは、プロジェクションマッピングといえばコレ!というようなありきたりな提案を受けることが多いのだとか。その時は、新しい発想を受け入れてもらうため、小さな模型を作り、実際に投影するなどしてプレゼンテーションを行うそうです。

プロジェクションマッピングは素人が理解するにはまだまだ難しい分野ですが、石多さんたちクリエーターの方々のアイディアでどんどん広がりを見せています。

石多さんがこれまで手掛けてきたプロジェクションマッピングはこちらで。映像をクリックすると動画がご覧いただけます。
http://www.projection-mapping.jp/?page_id=946

このお話の続きは、また来週。
石多さんが思い描く、プロジェクションマッピングのこれからとは??お楽しみに!

石多さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

 

by vivi

投稿者 : alabo|2018年11月21日

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