2019年6月12日

第141回 東京理科大学 工学部機械工学科 小林宏教授

今週のA-LABO INDEXは、先週に引き続き、
東京理科大学 工学部機械工学科 小林宏教授をお迎えしました。

 

写真は、松風さんと小林教授

 

小林教授が開発した「マッスルスーツ」は、現在、国内では、トップのシェア率を誇っています。また、海外でも、こうしたアシスト装置(※海外ではエクゾスケルトンというそうです)はあるそうですが、マッスルスーツほどは売れていないとのこと。つまり、現段階で、小林教授は世界一!そして、マッスルーツは、今後、海外展開もしていくそうです。

ちなみに、欧米では、腕の補助がメインとのことですが、マッスルスーツは腰を補助する装置。小林教授が、全体を見渡した時、腰を痛めている人が多いと感じたことから、腰の補助の装置を作ろうと思ったのだとか。ちなみに、海外で腰の補助の装置が作られていないのは、その必要性があまりないから。海外の人は、腰を痛めるまで無理なことはしないそうです。それに比べ、日本人は、体を張って頑張りすぎてしまうため、腰を痛める人が多いのだとか。日本人特有の悩みから生まれた発明です。日本は、少子超高齢化の社会。だからこそ、それに対する対策をきちんとできるシステムが作れれば、世界最先端を突っ走ることが出来るということ。日本人の、繊細なモノづくりが得意という特性を生かし、ピンチをチャンスに変えて、へこんだ日本を何とかしたいと小林教授は考えているそうです。

 

2014年に販売が開始された「マッスルスーツ」

 

最初に作られた「マッスルスーツ Power」は、人工筋肉を4本使っており、約35キロの補助力も持ちます。外部からコンプレッサーで空気を入れるタイプで、一番パワーが強いそうです。しかし、コンプレッサーとチューブで繋がれているのが嫌だという声も寄せられたとのこと。そこで、2年後に開発されたのが、「スタンドアローンタイプ」。これは、コンプレッサーなどの外部からの供給もなく、電気も必要ないタイプのもの。また、スイッチもないとのこと。最初に、手動で空気を入れて溜めておき、使うそうです。(ボイル=シャルルの法則)そして、その後、スタンドアローンタイプをより軽く、コンパクトにした「マッスルスーツ Edge」を販売。さらに、腰と腕と両方を補助する「マッスルアッパー」の販売を開始されたとのこと。こうして、マッスルスーツは、現在、4種類あるそうです。詳しくはHPをチェックしてみてください!

株式会社イノフィスのHP → https://innophys.jp/

 

小林教授の最終目標は、「動けない人を動けるようにする」「生きている限り自立した生活を実現する」ということ。現在、小林教授は、寝たきりの人の歩行器を開発をされているそうです。その歩行器は、まだプロトタイプですが、これから製品化のプロセスに入っていくとのこと。小林教授の今後の発明に、大注目です!

 

最後は、若き、エンジニアへ、小林教授からのアドバイス。

“使う人の身になって、その使う人が本当に欲しているものは何かという本質を考えて、本質を考えたうえで、課題とか優先順位をつけて開発を進めていくことがとても大事。そこがブレちゃうと全然できない。あと、エンジニアリングにはセンスがとても必要。センスがないと厳しい。じゃあ、センスは磨けないかというと、必ずしもそうではない。日本最古の工学書である『機巧図彙(からくりずい)』で(作者の)細川頼直が言っているように、とにかく、見ることだ。ものをみること。自分でみて、メカニズムを考えて、それを心に留めて置くこと。それをずっと繰り返していくと、こういうときはこれを使うなど、想像ができる。それがセンスに繋がる。色々なものを見て感じるということが大事。”

小林教授のインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

by vivi

投稿者 : alabo|2019年6月12日

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