2019年10月2日

第157回 ソニー・ミュージックスタジオ 鈴木浩二さん 堀内寿哉さん

現在「アーティスト/表現者たち」をテーマにお届けしているA-LABO INDEX。
今週のテーマは、前回に引き続き、「アートな音の匠」。
特に、アナログ盤、レコード盤にスポットを当ててお届けします。

レジェンドエンジニアとして、お話をお伺いするのは、ソニー・ミュージックスタジオ 鈴木浩二さんと堀内寿哉さんです。

写真は、松風さんと鈴木さん(右)と堀内さん(左)

技術の取得まで、3年かかると言われている『カッティングエンジニア』。
堀内さんは、決められた期間の中で以前レコードに関わっていたOBや、現役でやっている方に機械の使い方などの基本的なことを教わったとのこと。そして、それと同時に、レコードという『メディアの音』を知るために、レコードをたくさん聴いたそうです。いい音を知らないと、良いカッティングはできない、デジタルやCDとは違う、レコードの良さを知るということを大事にされたそうです。そして、前回の放送では、レコード盤ができるまでの流れを、ほんの少し伺いましたが、今週は、『カッティング』について、もっと技術的な面でのお話を伺いました。

☆カッティングについて
アルミにラッカーが塗られた『ラッカー盤』(金属板に塗装されているようなもの)に、ルビーやサファイアでできたカッティング用の針で音の溝(音源を流し、その音により、針が振動して溝が切られていく)を刻んでいく作業のことをカッティングと呼ぶそうです。ちなみに、溝の幅は、60~70ミクロンとのこと。そして、CDアルバムだと、大体20分ほどなので、決められたエリアに、約660本ぐらいの溝を切るのだとか。いかに効率よく、エリア内におさめるかという設計は、カッティングエンジニアのお仕事になります。こうした高度なエンジニアの技術によって、レコードは生まれています。

番組の後半は、鈴木さんと堀内さんへのご質問。

☆ものづくりで大切にされていること。
鈴木さんは、『アーティストの想いを届けること』。アーティストには、一曲一曲に伝えたい想いを持っているとのこと。鈴木さんは、その伝えたい音楽を理解して、共有して、その音楽をマイクや機材を使ってスピーカーから表現することを大切にされているそうです。もちろん、それには、それぞれのアーティストやプロデューサーとの相性も大切になってくるため、色々な人と出会うとのこと。こうして、広くいろいろな人と一緒にやっていけることが、この仕事の楽しいところなのだと、鈴木さんは思っているそうです。
堀内さんは、『”音”を扱う仕事ですが、それ以上に、”音楽”を扱うという意識』。ものづくりとして、きちんとしたものを作るという基本にプラスして、音楽を扱っているという意識が重要なのだと、堀内さんは考えているそうです。

☆これから必要だと思うこと。
鈴木さんは、『新しいメディアや新たな視聴環境を模索して、新しい技術へ挑戦していく』ということ。どんな状況や環境でも、感動できるような音楽を届けるということを常にしていくことが大事だと鈴木さんは思っているそうです。
堀内さんは、『伝統的なものをうまく現代に融合していく』ということ。レコードのような伝統的な良いものを現代だからできることとうまく合わせれば、伝統を継承していくと同時に、より良いものが生まれるのではないかと、堀内さんは考えているそうです。

そして、最後は、若き、エンジニアへ、鈴木さんと堀内さんからのアドバイス。

“自分を信じて、いろいろことに挑戦していって欲しい。失敗もプラスに変えて常に前を向いて走り続けるということが大切かと思います。―鈴木さん”

“いっぱい疑問をもって欲しい。それが普通だと思っていることでも、違う見方をしたら違う方向で解決できる方法もあると思うので、いっぱい疑問持つことで先に進めることができるような気がします。あとは、専門以外のことにもいろいろ広く目を向ければ、そこに何か今まで自分の専門では考えられなかったことが、他のところでは普通にやっていたりとかあると思うので、それが一つのアイディアになったりするのかなと思います。―堀内さん”

マニアにとってはたまらないアナログの世界ですが、若い世代にとっては新しいメディアとなります。
それを日本の音楽エンターテインメントの要の1つであるソニーが手がけるということは、さらなる展開が望めるのではないでしょうか?
音の匠たちのこれからの活躍、そして、生み出す作品。楽しみにしたいと思います。

鈴木さんと堀内さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/

https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

by vivi

投稿者 : alabo|2019年10月2日

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