2019年12月11日

第167回 水族館プロデューサー 中村元さん

現在「アーティスト/表現者たち」をテーマにお届けしているA-LABO INDEX。
今週は、前回に引き続き、水族館プロデューサー 中村元さんをお迎えしました。

写真は、松風さんと中村さん

 

数多くの水族館をプロデュースされてきた中村さん。
今週は、世界と日本の水族館の違いなどを中心に、お話を伺いしました。

日本の水族館を作っている人たちは、基本的に飼育係で動物が好きな人ばかり。だから、飼育と研究が中心になっているとのこと。そのため、中村さんの『見せて伝える』ことを中心にした展示は、様々な水族館で求められていったのだとか。それに対して、海外、特に欧米では、キュレーターと呼ばれる『見せて伝える』展示のプロが、それぞれの水族館にいて、実権を握っているとのこと。

まず、このキュレーターの役割が、海外と日本とでは、違うそうです。日本で、キュレーターは、学芸員と呼ばれており、ほとんど研究がメイン。最近、展示学が必修になったのだとか。ところが、海外のキュレーターは、見せることが専門で、どちらかと言うと先生に近い立場。どれだけ伝えられるかを大事にしているとのこと。例えば、海外には、水槽の中にある擬岩や偽物のサンゴ礁を作る専門のキュレーターもいらっしゃるのだとか。こうしたことから、中村さんは、益々、展示の大切さを感じたそうです。

こうした面は、日本のまだまだなところですが、もちろん、良いところもあります。中村さん曰く、それは、カスタマーのレベルが高いこと。日本人は、文化度が高く、一つ一つに意味を感じている。(水塊度が高い水槽の前で、じっと眺めている人も多い。)だから、数多くの水族館があっても成立しているということ。文化度の高い、見る力を持った人たちが支えているのだと中村さんは思っているそうです。

『いいものはカスタマーが判断している。』
お客さんがどんな気持ちで来ているか、見ているかを常に観察して、よりいいものを。中村さんのものづくに対する姿勢を感じるお話でした。

そして、最後は、若き、エンジニアへ、中村さんからのアドバイス。

“自分が天才じゃないと思ったら少々の長所を伸ばして勝負しようと思わないほうがいい。長所は使うな。長所を伸ばそうとしても天才に負ける。長所はライバルが多いもの。だからそれよりも短所をひっくり返して使え。そいつが武器として使えると、誰もそれで勝負してないからいつまでも勝てる。弱点っていうのは、そいつを環境の中でどうやったらうまくいくかと考えるテコになる。サンシャイン水族館も、北の大地の水族館も、弱点があったから、新しいものができていった。長所も使い道はある。長所は、ライバルがいないところで使うもの。長所が生かされていないところで使うと良い。天才は違うよ、天才はガンガンいったほうがいい。でも、ほとんどの人が天才ではないから、自分を天才と思わないほうがいい。”

中村さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。
https://www.central-eng.co.jp/

https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

 

中村さんのトークライブ『中村元の超水族館ナイト2020 春 vol.35』が、来年2020年2月16日に、渋谷の東京カルチャーカルチャーにて行われます。まだ、公式告知はされていないそうですが、次回のテーマは、クラゲ展示について。中村さんのお話を直に聞きたいという方は、ぜひチェックしてみてください!

by vivi

投稿者 : alabo|2019年12月11日

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