2020年1月8日

第170回 日本シグマックス株式会社 商品企画開発部 五十嵐匡平さん

A-LABO INDEXは、3か月おきにテーマに沿ってお届けしておりますが、
今年2020年1月から3月のテーマは『2020の技術』でお送りしていきます。

そして、初回となる今週は、身体活動支援のための会社、日本のサポーターのトップ企業、日本シグマックス株式会社、商品企画開発部の五十嵐匡平さんをお迎えしました。

日本シグマックス株式会社 商品企画開発部 五十嵐匡平さん

五十嵐さんのプロフィール

1984年、新潟県出身。幼少期には、マンホールの模様を大きな画用紙にひたすら写すというデザインやプロダクトへの関心の強いお子さんだったとのこと。大学は千葉大学に進み、大学院では工学研究科デザイン科学を専攻し、日本シグマックス株式会社に入社。大学でデザインと人間工学を学んでいたこともあり、身体に関わるモノづくりができる企業を探していたところ、身体活動を支援する製品を作るシグマックスの社員の方に出会う。「シグマックスの製品はケガと戦っている人たちがお客様であり、高い期待と責任を背負っている」という話がとても印象的で、サポーターの開発者を志す。(また、五十嵐さん自身も学生時代からバレーボールに取り組んでいて、スポーツのケガに対して身近に感じていたことも影響しているとのこと。)

入社1年目は、営業を担当。商品紹介のため、地域のスポーツ店や学校の部活に足を運ぶ度、シビアな話を聞くことが多く、ユーザの困りごとを知るうえで貴重な経験だったとのこと。その後、現職の商品企画開発部でサポーターの開発に従事する。

スポーツ向けのサポート・ケア製品のブランド「ザムスト」の研究開発をする部署に所属、あらゆる部位のサポーターの製作に関わり、「ザムスト フィルミスタアンクル」で世界最大級のスポーツ見本市、ISPO AWARD 2015に輝き、「ザムスト フットクラストスタンダード」では、2017年度グッドデザイン賞を受賞している。

番組の前半は、日本シグマックス株式会社についてのお話。
HPはこちら → https://www.sigmax.co.jp/

☆どのようなものを制作しているのか。

身体を動かすための運動器に着目して、運動習慣の獲得、継続を後押しする製品を『メディカル』、『スポーツ』、『ウェルネス』の分野に提供している。整形外科治療が事業のルーツで、具体的には、サポーターや、包帯、ギブス、骨折治療器、超音波診断装置など。そして、五十嵐さんがいらっしゃる商品企画開発部、開発1課では、主に、ソフトグッズ(サポーターや、ソックス、インソールなど)を手掛けているとのこと。中でも、五十嵐さんは、『ザムスト』というスポーツ向けのサポートケア製品ブランドを担当されています。

☆ザムスト(スポーツ向けのサポートケア製品ブランド)について。

スポーツ用のサポーター。足首、膝、腰、肩、肘、手首、指など、多くの部位の製品がある。『スポーツ用』とは。
激しい動きによって関節にかかる負荷も大きくなります。それに対抗するため、スポーツ用では、サポーター本体やストラップの伸び縮みの強さや、性質も変えているとのこと。様々な動きをする中でも、しっかりとフィットして、なおかつ、動きの邪魔をしないような形状の構造を実現することが必要なのだとか。さらに、人と接触することのある競技では、、固いパーツなどで相手を傷つけないような素材選定も重要とのこと。また、床との摩擦が想定される箇所には、専用の資材を用いたりもしているのだとか。そのため、サポーターの種類は、とても多く、足首、アキレス腱用で、6種類。膝用で、11種類。腰用で、5種類。肩、肘、手首用で10種類。その他を合わせると全部で50種類ぐらい。そして、サポート機能付きのソックスやインソールを含めると、【60種類以上】になるのだとか!ちなみに、膝は特に症例別に種類があるそうです。

ザムストのHPはこちらから → https://www.zamst.jp/

そして、番組の後半は、五十嵐さんが、サポーターに情熱をそそぐきっかけになった人生の転機についてのお話を伺いました。

<その1>学生時代の足首の捻挫。
サポーターとの出会いとでもあり、今の仕事を選んだきっかけ。中学~大学までバレーボールをやっていて、サポーターは相棒であったのだとか。五十嵐さんは、就職活動の時、サポーターのことを思い出し、「辛い時の相棒。そういう商品っていいな」と思い、今の会社を選んだそうです。

<その2>フィルミスタ アンクルの開発。
サポーター製品の開発者としてやっていく自信がついた商品。
☆フィルミスタ アンクルとは。

フィルミスタ アンクルは、サッカー用の非常に薄い足首のサポーター。

サッカーは足首のけがが多い競技ですが、テーピングや、バンテージでのケアが中心で、サポーターが使ってもらえない状況だったとのこと。従来の足首サポーターは基本的にソックスの上に着ける構造になるので、ルール上公式戦で使用できなかったり、サポーターの生地の厚みでスパイクのフィット感やプレー感覚に影響することが課題としてあったのだとか。そこで、ソックスの下に装着できる薄手サポーターの開発がスタートし、誕生したのが、【フィルミスタ アンクル】。開発は、サッカー日本代表のチームドクターや、大学や高校のクラブチームの選手やトレーナーにヒアリングを行いながら進めていったとのこと。サッカー選手の足はとても繊細で、固定力があっても、かさばったり、動きにくかったりすると、その場で彼らは使ってくれないという状況だったそうです。

フィルミスタ アンクル、実物のお写真がこちら。

とても薄いですよね。そして、マネキンの足に着けてみるとこんな感じ。

この上からソックスをを履くと・・・。

こんな感じになります。

今、振り返って、特に難しかったポイント。

1つ目は、薄い素材で、足首の捻りを抑える力を持たせること。
2つ目は、捻り以外の足の動きを抑えないこと。

この2つは非常に難しかったそうです。

ちなみに、フィルミスタの名前は、film(フィルム)+stability(安定)から。
フィルミスタシリーズのHPはこちらから → https://www.zamst.jp/filmista/

こうして、選手やトレーナー、ドクターからのヒヤリングをもとに、五十嵐さんを始めとするチームのみなさんは、様々な難題をクリアして、ここに至るわけですが、どのような難題を、どのようにしてクリアしていったのか、このお話の続きは、また来週。お楽しみに!

五十嵐さんのインタビュー。そして、これまでのレジェンドエンジニアのインタビューフルバージョンは、セントラルエンジニアリング株式会社のオフィシャルサイトから「レジェンドエンジニアの声」で、お聴きいただけます。(準備中です)
https://www.central-eng.co.jp/
https://www.central-eng.co.jp/legendengineers

2020年は、東京オリンピックの年。『MADE IN JAPAN』の素晴らしい技術力を感じる熱い一年になりそうですね。A-LABO INDEX、本年も、よろしくお願いします!

by vivi

投稿者 : alabo|2020年1月8日

« blogトップ »