2015年10月5日

#26 10月2日放送分

今回のテーマは、

「急増するシリア難民で周辺国は大混乱」でした!

 

そもそも難民とは?

難民条約によると、「難民」とは「人種、宗教、国籍、政治的意見などの

理由で自国にいると迫害を受けるか、迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた人」のことを指します。

難民は、本国に送還されると(還されてしまうと)、命の危険にさらされてしまう恐れがあるので、

各国に保護を義務付けています。

難民の認定を受けると、基本的にはその国の国民と同じ待遇を受けることができます。

ちなみに条約では、定義の中に「紛争」は含まれていませんが、

シリア難民が急増した2014年後半以降、ヨーロッパでは迫害状況を見て、

難民と認める例が増えているそうです。

 

移民との違いは?

「移民」とは、仕事や教育など、より良い生活環境などを求め、国境を越えて

定住する人のことを指します。

以上のことを踏まえると、自分の国で迫害される恐れがあるかどうか、

身に危険が迫っているどうかが「難民」と「移民」の違いと言えます。

(以上、9月16日朝日新聞 9月17日  読売新聞参照)

 

日本の難民認定数は?

 昨年、日本での難民認定の申請者は、5000人。

しかし、認定されたのは、わずかに11人でした。

ちなみに、昨年の世界全体の難民認定数は、1438万人。

前年より、23%も増えているそうです。

この数字からも分かるように日本では難民認定の審査基準が非常に

厳しいと言われています。

なぜか?

それは、明らかに難民に該当しない理由、例えば働くことを目的として

偽装申請を繰り返すケースが影響しているからです。

しかし、紛争が4年にも及ぶシリアでは、人口2200万人の半数以上が

家を失い、およそ400万人が周辺国へと避難し、国内でもおよそ760万人が

避難民になっています。

こうした中、押し寄せる難民の流入に、EU(ヨーロッパ連合)は、各国で分担して

受け入れることを決定しました。

また、アメリカもシリア難民の受け入れを1万人まで増やすことを

明らかにしました。今後、もっと受け入れを増やすようです。

 

一方、日本政府はシリア難民の若者を留学生として受け入れる検討を始めましたが

その規模は数十人程度に見られ、国際貢献というのには

あまりにも規模が小さいとの批判もあります。

(以上、9月8日       日本経済新聞   9月27日 朝日新聞参照)

 

ということで、リスナーの皆さんに、「日本はもっと難民を受け入れるべきか?」

質問を投げかけました。

 

そもそもなぜ難民が急増したのか?

難民急増の原因は、2011年に中東で始まった民主化要求運動・

「アラブの春」にさかのぼります。

 

「アラブの春」とはチュニジアやエジプト、リビアなどアラブ諸国で、

独裁政権に反対する民衆が大規模な抗議やデモを行ったことを指します。

大規模な抗議運動で、政権は次々と崩壊していきました。

 

そうした流れの中で、シリアでも反政府運動が展開され、

アサド政権と反政府組織が武力衝突します。

シリアでは、40年以上に渡って、アサド大統領父子によって独裁体制が続き、

表現や集会の権利が制限されたり、女性や少数民族が差別されてきました。

そうした抑圧から解放を求めて、打倒独裁政権の波が押し寄せたと言えます。

 

なぜシリアは民主化が進まなかったのか?

 まず、宗教の問題というのがあります。シリアは国民の7割がイスラム教スンニ派です。

しかし、アサド大統領はわずか1割のアラウィ派に属しており、政府や軍の重要な

ポストもアラウィ派が独占しています。民衆はこうした状況にも不満がありました。

アラウィ派は少数ですが、政府と軍の結束力は固く、激しい内戦も持ち

こたえてきました。

 

戦いは、政府軍対反政府軍、スンニ派対アラウィ派に留まりません。

こうした内戦の混乱に乗じて、勢力を拡大させようとしたのが、日本人人質殺害など

残虐な犯行やテロ行為で世界を脅かす、過激派組織「イスラム国」です。

 

イスラム国は、イスラム教スンニ派の武装組織で、イラクからシリアにかけて

勢力を広げ、一方的に国家の樹立を宣言しています。

自分たちの意に沿わない人々を虐殺したり、居住地を略奪したりと

一般市民を巻き込んだ犯罪行為を繰り返しています。

 

このイスラム国の存在には、政府軍、反政府軍も手を焼いています。

簡単に言ってしまうと、ひとつの国の中で、3つの勢力が戦っているということに

なります。

 

さらに事態を複雑化しているのが、アメリカとロシアの存在です。

アメリカは、アサド政権が反政府運動を行ったシリア国民に対し、

爆弾や化学兵器を使って、数十万人もの犠牲者を出したと非難。

新しい指導者に代わるべきだと主張しています。

 

一方、ロシアはソビエト時代からシリアとは友好関係にあり、

また主要な武器輸出相手国でもあり、地中海には海軍の補給基地もあります。

そのためロシアは早くからアサド政権を支持しています。

政府軍こそが、「イスラム国」などのテロ組織と戦っていると主張。

アメリカなどによる反政府組織への支援が、かえって内戦を泥沼化させ、

武器や戦闘員がイスラム国に流れていると批判しています。

 

両国は、過激派組織「イスラム国」の打倒を目指すことでは意見が一致していますが

政府支援と反政府支援で対立。

9月30日に、アメリカ・オバマ大統領と、ロシアのプーチン大統領は

国連総会の行われたニューヨークで会談を行っていますが、

成果は乏しく、「シリア危機」の解決への糸口は見つかっていません。

(以上、2013年5月27日 THE PAGE

2015年1月23日 読売新聞    9月29日&30日       朝日新聞参照)

 

各国難民の受け入れをするようになったのは、1枚の写真がきっかけだった

 

押し寄せる難民の数に、隣接国、そしてヨーロッパ諸国は対応に追われる中、

一枚の写真が世界に衝撃を与えました。

 

それは、トルコの海岸に打ち上げられた、男の子の遺体でした。

彼の名は、アイラン君。

内戦で混乱するシリアから家族と一緒に逃れてきた途中、船が転覆し溺死しました。

まだ3歳でした。

 

この報道を受けて、難民の受け入れに消極的だったイギリスの

キャメロン首相が一転して受け入れを表明。

オーストラリアやニュージランドも同様の意向を示しました。

 

また積極的な受け入れ策を表明していたドイツには、100万人もの

難民が流入するのではないかとの見方もあります。

 

その一方で、ハンガリーでは、軍兵士が難民の通り道をフェンスで塞いだり

催涙ガスや水を浴びせたりするなど、強行措置で入国を阻止しています。

ハンガリーのオルバン政権は、「紛争地からヨーロッパへ来るのは

安全だからではなく、豊かな生活を求めているからだ」との見解を示し、

また「キリスト教中心のヨーロッパの価値を守る」と強調しています。

 

(以上 9月8日の難民協会の記事      9月22日  朝日新聞参照)

 

日本はなぜ難民の受け入れが少ないのか?

 

日本の現行制度では、難民申請から6カ月を過ぎていれば、就労=働くことが可能に

なるため、これを悪用して日本で働くために申請を乱発する外国人が増えています。

 

その大半が借金から逃れるなどの理由で、母国を離れているため迫害される恐れがあるという

「難民」には当てはまらず、こうした「偽装」や「不正」を防ぐために法務省は審査を厳しくしています。

日本で難民申請をしたシリア人は、これまで60人ほどいますが認定されたのは、わずか3人。

多くの人は1年ごとに在留許可を出す「人道的配慮」での保護に留まっています。

 

難民に認定されると、定住に向けた日本語教育や、就労のための

公的な支援を受けられますが、人道的配慮による在留許可の場合はそれらを

受けられず、家族の呼び寄せにも厳しい制約があります。

 

(以上9月10日 毎日新聞  9月16日  朝日新聞参照)

 

AAR Japan 難民を助ける会 シリア難民支援担当の景平義文(かげひら よしふみ)さんを

お迎えして、お話を伺いました。

 

景平さんはトルコに避難したシリア難民の支援をなさっています。

お話して頂いた中で、いくつか印象に残ったことを列記します。

 

シリア難民について

 

トルコには、200万人近いシリア難民が流入しているそうです。

大都市のイスタンブールは仕事も多く、50万人の難民が暮らしています。

 

トルコ政府はこうした難民支援のために、1兆円近く財政負担をしています。

シリア人が多く入国してきて、トルコでは住宅の賃料が2~3倍に高騰したり、

病院などの公共サービスにも難民が押し寄せるため、トルコ人が利用しにくくなっているそうです。

 

シリアには他国に逃げることができず、国内で内戦から逃げている

国内難民がおよそ760万人もいます。

 

他国に逃げることができるのは、金銭的にも、体力的にも、気力も

余裕がある人たちで、一番弱い立場の人たちがシリア国内に留まって逃げ回っているそうです。

 

難民の生活

 

難民というと、「難民キャンプ」に入って、食料をいつももらっている

イメージがありますが、実際にトルコでは、難民キャンプに入っている人たちは

1割くらいしかいないそうです。

 

トルコはトルコ語。シリアはアラビア語です。

トルコに逃げて来たシリア人は、言葉の問題などから、1日中家に閉じこもって

過ごす人もいます。

貯金を切り崩したり、非常に賃金の安い日雇いのような単純労働に就いて

生活を送っています。

言葉の壁から、子どもも学校に行けなかったり、友だちができないそうです。

 

シリア難民同士

 

シリアからトルコに逃げて来た人同士助け合って生活していると

私たちは考えがちですが、景平さんによると、シリアコミュニティのような

シリア人同士のグループはあまりないそうです。

 

それはなぜか?

トルコに逃げて来るシリア人の多くは、母国で家族や親戚を殺害されています。

そのため、元々シリア国内でそれぞれ知らない者同士でも、その家族関係を

辿っていくとどこでどう繋がっているか分からないのです。

つまり、自分の家族や親戚が、相手の家族を殺しているかもしれないし、

逆に自分の家族や親戚を殺されているかもしれないのです。

 

世界に衝撃を与えた1枚の写真。実はシリア難民はこう思っている

 

トルコの海岸に打ち上げられた、3歳児・アイラン君の遺体写真は

多くの国に衝撃を与え、それによって難民受け入れを認める国も出てきました。

しかし、こうした状況にシリア人は冷ややかだそうです。

なぜなら、この写真が海外に知られる前からシリアでは内戦がありました。

世界が注目するずっと前からシリアの人たちは苦しんできたのです。

難民の問題や、国内での悲劇は今に始まったことではないからです。

 

日本の難民受け入れについて

 

受け入れるにしても、言葉や文化、習慣をしっかりと教えなければ、

社会から疎外されてしまいます。シリア難民が日本の生活に適応するには

そうした多くの課題があるので、現段階では、1000人単位の受け入れは、

現実的ではないそうです。

 

景平さんからのメッセージ(わたしたちができることは?)

 

ここ1カ月シリア難民の話題がメディアを賑わせていますが、

これをブームと終わらせないことが大事。

難民はこの先も長く避難生活が続くのでブームが去っても

抱えている問題が解決したわけではありません。

1人1人がこの問題に関心を持ち続けることが支援の継続には

必要不可欠です。

 

景平さんたちAAR JAPANの支援について少しでも興味があったり

支援したいという方は、http://www.aarjapan.gr.jp/

チェックしてみてください。

 

 

 

 

投稿者 : kintubu|2015年10月5日

2015年10月2日

今日のみさみさーくる「焼き芋」

今日のみさみさーくるは「焼き芋」を取り上げました!

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出来たての焼き芋をスタジオでいただいちゃいました♪

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投稿者 : kintubu|2015年10月2日

2015年10月2日

今夜のゲストは景平義文さんでした!

今週のテーマは

『急増するシリア難民を世界各国が受け入れを表明!

日本は難民をもっと受け入れるべきだと思いますか?』

 

8時台にはトルコでシリア難民問題に支援している、

AAR Japan 難民を助ける会 シリア難民支援担当景平義文さんにお越しいただきました。

ありがとうございました!

 

AAR Japanへのリンクはこちら↓

http://www.aarjapan.gr.jp/

興味のある方はぜひアクセスしてみてください!

投稿者 : kintubu|2015年10月2日

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