| HOME |

2018年8月27日

#177 8月24日放送分 映画のつくり方

今回のテーマは、

「映画の作り方」でした!

 

カメ止めブーム!

この夏“カメラを止めるな!”という映画が大ヒットしています。

話題の作品ということで、ご覧になった方もいるんじゃないでしょうか?

 

この映画は、制作費が“300万円”という低予算で、役者もほぼ無名という

インディーズ作品、当初は昨年11月にミニシアターでの6日間限定の上映でした。

 

ところが作品を観た観客の口コミにより、人気に火が付き、今年6月に一般公開。

 

最初は“2館”での上映でしたが、SNSで有名人が絶賛するなどの効果もあり、

現在全国“180館”以上で上映されているそうです。

 

小島さん、山崎さんも映画館に足を運び鑑賞しています。

 

なぜ「カメラを止めるな!」は、多くの人たちに支持されたんでしょうか?

 

ということで今回は「最近、映画館に行きましたか?

あなたは映画館に行くとき何を基準に観る作品を決めていますか?

映画館で観るときのマイルールってありますか?」という質問を

リスナーに投げかけ座談会を行いました。

 

映画づくりの主流は?

映画のエンドロールで、“○○製作委員会”という言葉を目にすることがあります。

 

例えば、“金つぶ製作委員会”というような感じです。

テレビドラマやアニメでも同じように見かけることがあるんじゃないでしょうか?

 

この○○製作委員会とは、コンテンツに出資を行う複数の企業で構成された組織で、

出版社やテレビ局、広告代理店などが名を連ねています。

 

いわゆる“製作委員会方式”と呼ばれるこの手法は、現在映画製作において主流で、

多額の制作資金を調達することができるだけでなく、興業が不振のときには

リスクを分散させることができます。

 

その反面、ある程度成功が見込める人気のある漫画や小説を原作とするケースが多く、

オリジナル作品や新たな才能ある人材を見出すことができないという

デメリットもあります。

 

こうした中、映画「カメラを止めるな!」は、なんと制作費がおよそ300万という

低予算で、役者さんも無名ながら、観客動員数は“40万人”を突破しています。

 

≪ゲストコーナー≫

金つぶ2度目のご登場!

 

映画「カメラを止めるな!」のプロデューサー・市橋浩治さんをお迎えして、

「映画のつくり方」についてお話を伺いました。

 

前回は、4月に“ドローンの飛ばし方”というテーマで、

スタジオでドローンの操縦をして頂いています。

 

カメ止めの誕生!

市橋さんは、俳優や映画監督を養成する“ENBUゼミナール”という

スクールの代表をなさっています。

 

ドローンを使った撮影を行えるカメラマンも養成しています。

 

そこで、2012年から“シネマプロジェクト”という”ワークショップ“

映画を製作する企画を行っています。

 

若い新人監督とオーディションに合格した俳優が稽古をしながら

じっくり時間をかけて一本の作品を作って、映画館で上映します。

 

同企画の第7弾目の作品として誕生したのが、「カメラを止めるな!」です。

 

なぜプロジェクトを始めたの?

新人監督や若手、事務所に所属していない俳優は自分をアピールする場を

作ることが難しいので、多くの人に彼らの作品や演技を見てもらえる場を

つくろうということで始めたそうです。

 

最終的に映画館で作品を上映するので、そのときにプロダクション関係者や

映画監督に見てもらうチャンスがあります。

 

俳優のキャラを活かせる!

2ヵ月近くワークショップがあるので、監督は各俳優が

どんな役に合うかを把握しています。

 

そのため、俳優の特徴を活かした当て書きで脚本を書くことができます。

 

俳優も自然と演技をすることができるという利点があります。

 

「カメラを止めるな!」もこのような流れで製作され、

昨年の11月にイベント上映しています。

 

そして単独公開となったのです。

 

大ヒットは予想していた?

作品自体面白いと思っていたそうです。

 

作家性の強い作品は、なかなか間口が広がりにくい傾向です。

 

でも、「カメラを止めるな!」の上田監督は、エンターテインメント志向が強く、

撮りたい作品はコメディで、それが今回強く出て、老若男女に支持されたのではと

市橋さんは分析しています。

 

海外の映画祭で受賞!

昨年の10月に関係者試写会を行いました。

 

観客は、キャスト、スタッフなので、全員ストーリーは知っています。

 

みんな純粋に笑って楽しんでいたので、面白い作品ができたと

感じていたそうです。

 

公開前の4月には、イタリアの“ウディネ・ファーイースト映画祭”

“観客賞2位”を受賞しています。

 

ミッドナイト上映にも関わらず、客席は大爆笑で、

上映後は5分近いスタンディングオベーションだったそうです。

 

日本では冒頭のワンカットシーンでは客席が静かでしたが、

イタリアの観客はそこから盛り上がっていたそうです。

 

これによって、5月の試写会に多くのメディアが来て、

たくさん取り上げてもらえるようになったそうです。

 

試写会は満席、立ち見まで出ました。

 

インディペンデントの映画が新聞で取り上げられるのは、

これまでほとんどなかったそうで、異例中の異例でした。

 

手ごたえをつかんだ瞬間

最初は、2館での上映でした。

 

その1つ、”新宿K’s cinema”では、平日昼間の3回上映にも関わらず

連日満席だったそうです。

 

このときに、「もしかしたらイケるのでは…」という思いになったそうです。

上映2週目になると、2館で連日満席。

 

作品を観たお客さんのSNSによる評判も拡散しました。

 

さらに感度の高いお笑い芸人や、指原莉乃さんといった

人気タレントがツイートし、行列ができている映画ということで、

情報番組でも取り上げる機会が多くなっていきました。

 

8月からは、宣伝配給大手とも組んで、全国“225館”での上映となっています。

 

韓国でも公開をしているそうです。

 

舞台あいさつが連日ある!?

時間のあるキャストは、映画館に出向き、舞台あいさつを行っています。

 

予告していないので、サプライズです。

 

小島さんが観たときも映画に出演していた女性の役者さんが登場し、

裏話をしたり、写真撮影にも応じていたそうです。

 

また、上映後はロビーでサイン会やお見送りも行っているそうです。

 

そうした試みも、ファンの心をつかんだかもしれません。

 

ENBUゼミナールの作品

シネマプロジェクトでは、東京国際映画祭に出品した

今泉力哉監督の「サッドティー」や「退屈な日々にさようならを」、

吉田光太監督の「おちき」をはじめ14作品を製作しています。

 

ワークショップに集まった俳優さんたちでオーディションをして、

その後またワークショップを行って、映画を作ります。

 

基本的に商業映画を作るというスタンスではなく、

監督や俳優を育てて、世の中に出すことを目的にしているそうです。

 

回を追うごとに前の作品には「負けたくない」という気持ちで

参加している人たちは、製作に臨みます。

 

制作費は?

シネマプロジェクトによるワークショップ受講料、

またクラウドファンディングなどで集めていますが、

基本は、ENBUゼミナールからの資金で制作しているそうです。

 

クラウドファンディングは第3弾目から利用しています。

 

支援者は、若い人たちを応援しようという気持ちで参加してくれるので、

作品だけでなく宣伝なども協力してくれるそうです。

 

お金だけじゃなく、気持ちの応援も感じるそうです。

 

上田監督は、そうした支援者のことをチームメイトと呼んでいます。

 

宣伝活動の工夫

最初はB5版サイズの表裏のチラシでしたが、途中から33人の映画監督、俳優、

映画評論家などの感想コメントを載せて、4ページのチラシを作ったそうです。

 

また上映60日前からのカウントダウン画像配信も行っています。

監督、キャスト、スタッフがそれぞれ順番で担当しました。

 

途中、カウントを間違えて3日分流れてしまったこともあったそうです。

 

最終日の上田監督はスベっていたとか!?

 

プロデューサーとして意識したことは?

低予算なので、撮影が1日でも延びると、大変なことになってしまいます。

 

撮影期間の8日間で、予算内で収められるかどうかを気にしていたそうです。

 

また、安全面には細心の注意を払ったそうです。

 

ワークショップなので、参加者にはあまり危険なことをさせないようにしています。

 

監督からスプレーを使用して火炎放射器的なシーンを撮りたいと

相談があったのですが止めたそうです。

 

撮影現場での雰囲気は?

廃墟のシーンは、茨城県水戸市で撮影されたそうです。

 

夜は撮影ができない場所でした。

 

そのため、早い時間に撮影が終わるので、

一緒に食事をしたりして、合宿をしている雰囲気だったそうです。

 

出番のない役者さんは、スタッフとして手伝っていました。

 

今後の映画のつくり方は?

インディペンデントで作られた作品が、シネコンで上映されるということに

驚いたそうです。

 

そういう受け入れてくれる気持ちが映画業界にあることに市橋さんは驚きました。

 

大きな映画館で上映されると想像もしていなかったことが起きました。

 

作品力は当然ながら、色々なことを積み重ねていくと、

今回のようなことが起きるんだと実感したそうです。

 

これから映画作りに関わる人たちが、違うステージに上がれるという

可能性を示しました。

 

諦めないで動けば、可能性は広がっていきます。

 

市橋さん自身は、若い人の育成や、監督のやりたいことをどうすれば

実現できるのか、取り組んでいきたいそうです。

 

全てをオーディションで配役

日本の映画製作では、すべてのキャストをオーディションで

選ぶということはありません。

 

でも、オーディションによって、その役に合った役者さんをキャスティングすることで、

本当に面白い作品ができるという可能性を今回の「カメラは止めるな!」で

証明しました。

 

上田監督は、ワークショップに参加した12名と役者さんたち全員に

それぞれ見せ場を作ったそうです。

 

役者さんたちはそれを意気に感じ、演技に臨んだそうです。

 

≪今週の金のつぶやき≫

最後にこんな話題を紹介しました。

 

世界には数々の映画祭が開催されていますが、

“UNCAR難民映画祭”というのがあるのをご存じでしょうか?

 

世界の難民の保護と支援を行う国連の機関である“UNCAR”が、

世界で深刻な難民問題の現状をドラマやドキュメンタリー映画によって

伝える映画祭で、9月7日から開催されます。

 

今年のテーマは「観る、という支援」

 

難民支援というと敷居が高く感じられるかもしれませんが、

まずは紛争や迫害によって国や故郷を追われた人たちがどんな生活を送っているのか?

 

映画を通して現状を知ることも、支援のひとつであると訴えています。

 

入場無料ということなので、興味がある方は、

UNCAR難民国際映画祭2018のホームページをチェックして、

会場に足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

忙しくて映画館に行くヒマがないという方もいるかと思いますが、

やはり巨大なスクリーンで見る映画は格別ですね。

 

素晴らしい映像と圧倒的な音響、客席の雰囲気、

映画館には私たちを非日常へと導いてくれる魅力があります。

 

作り手の作品への想いを感じながら、

映画の世界にゆったりと浸ってみてはいかがでしょうか?

 

次回8月31日は、ITメディアクリエーターニック土屋さんをお迎えして、

「電気自動車」をテーマにお送りします!

 

聞いてちょーだい!!

投稿者 : kintubu|2018年8月27日