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2018年11月11日

#188 11月9日放送分 日本が狙われている

今回のテーマは、

「日本が狙われている!」でした!

 

なくなったら困るものは?

NO LIFE NO MUSIC(音楽なくして人生はなし)という某レコードショップの

キャッチフレーズにあるように、誰にでもこれがないと生きていけない、

あるいは、なくなったら困るというモノがあるかと思います。

 

山崎さんは、シャーペンと消しゴムだそうです。

さすが現役の大学生らしいですね。

 

生きていく上で、当然ながら、食料、水、仕事がなければ困りますし、

安心、安全に暮らしていく、サービスやシステムも欠かせません。

 

日本は資源が乏しく、海外の国々に頼りがちですが、

治安や教育、独自の文化、高い技術力、便利なサービスや社会制度など、

世界に誇れるモノがたくさんあります。

 

しかし今、私たちの命や暮らしに関わる資産や、サービス、制度が狙われています。

 

一体、誰が何を何のために狙っているんでしょうか?

そして、解決策はあるのでしょうか?

 

ということで今回は「今、あなたがなくなったら困るモノは何ですか?

日本からなくなったら困るモノは何だと思いますか?」

という質問をリスナーに投げかけ、座談会を行いました。

 

日本の水道が狙われている!?

今国会で政府、与党が成立を目指す、“水道法改正法案”という法律があります。

 

この法案の中には、これまで水道を運営していた“行政”が施設を保有したまま、

運営権を“民間事業者”に任せるという新しい仕組みがあります。

 

これまで行政に任せていた水道事業を、民間に任せようということです。

 

水道事業は、各自治体が運営を行っていますが、

水道管の老朽化や人口減少伴い、地域によっては、大きな負担となっています。

 

実際に、「ウチの地域は水道料金が毎年上がって高い!」と感じている方もいるんじゃないでしょうか?

 

そこで、民間に任せようというのが、今回の水道法改正法案です。

 

しかし海外では、水道事業を民間業者に委託したことで、

逆に“水道料金の値上げ”や、“水質が悪化”するなどして、

ことごとく失敗し、再び公営化される例が後を絶ちません。

 

また、民間事業者に委託するということになれば、“外資系企業”も参入してきます。

 

日本は、これまで各自治体が、安全、安心な水を供給してきましたが、

あくまで利益を追求することを目的とする民間企業に、

これまでと同じようなサービスの質が保たれるのか、不安視されています。

 

≪ゲストコーナー≫

国際ジャーナリスト堤未果さんをお迎えして、

「日本が狙われている!」をテーマにお話しを伺いました。

 

新刊執筆の動機は?

堤さんの新刊『日本が売られる』がものすごく話題になっています。

 

私たちは、1つ1つのニュースについて、すぐ忘れてしまいがちです。

 

次々と新しいニュースが耳に入って、記憶が上書きされ、意識から離れてしまいます。

 

そうした私たちが忘れがちなニュースや問題を1枚の絵のように

立体的に見せたいというのが、今回の新刊を書く動機になったそうです。

 

ですから、今日本が抱えている問題を一枚の絵にしたのが、

「日本が売られる」という本です。

 

バラバラになった情報を繋げ、全体が見えてくる内容となっているそうです。

 

いわば、マッピングのための入門書です。

 

なぜ公から民へ?

現在、日本全国の“水道管”のおよそ“1割”が耐久年数を越えているため、

工事が必要な状態です。

 

ただ、どの自治体も財政は火の車で、修理をするお金がありません。

 

お金がないので、人もギリギリまで減らしているそうです。

 

技術者がゼロという地域もあるそうです。

 

水は命に関わる“ライフライン”で、安全、安心な水が、安く供給されなければなりません。

 

ですから、本来水道は、国が責任を持って担う事業です。

 

しかし、劣化した水道管を直すお金が自治体にはないので、

民間の力を借りて、効率良くやっていこうというのが政府の言い分です。

 

財政難なら仕方がないのでは?

私たちが収めた税金で、私たちのことを守るのが国の役目です。

 

例えば、災害が発生したときに、最初に頭に浮かぶのは水のことではないでしょうか?

 

破裂した水道管を直して欲しいとか、水を供給して欲しいと切に思います。

 

そうした危機から国が責任を持って、私たちを救ってくれなければなりません。

 

もし、これを民間に任せるようになると、どうなるでしょうか?

 

仮に、小島商事と言う民間の水道会社があるとしましょう。

 

社長の小島さんは、水道事業で利益を出す事を考えます。

 

利益を上げるには、まず“水道料金”“値上げ”します。

 

そして、水道の栓をきつくして、水があまり出ないようにします。

 

さらに“人件費”を抑えるために、会社の“人員削減”もします。

 

そうなると、水質チェックする人を減らすということも出てきます。

 

そうした中、人口の少ない地域と、人口も多く若者もいる地域で、

共に水道管が壊れた場合、企業は後者を優先にするんではないでしょうか?

 

何しろ、会社は利益優先です。

 

公営だと決してそのようなことは起こりませんが、

民営化になると、地域によって差が出る可能性があるのです。

 

民営化によって、優先順位が変わってしまうそうです。

 

水道は1社独占!?

複数の電力会社が1つの送電線を共有して電気を流す電力と違い、

水道は“1地域”につき“1社独占”となっています。

 

ですから、例えば小島商事は水道料金をどんどん値上げします。

 

それでは市民の生活が困ります。

 

そこで、金つぶ市のれなち市長は「料金を値上げしないで」と文句を言いたいところですが、

1社が独占して経営している状態では、言いにくいのが実情です。

 

そこには、競争原理が働いていないので、

小島商事は、値段を安くして良いサービスを提供する必要がありません。

 

企業は、利益を優先するからです。

 

さらに、企業内部の情報はなかなか外に出てきません。

企業秘密です。

 

公共の場合は、全部情報が公開されますが、

民間の場合はそういうわけにもいかないのです。

 

民営化で失敗した国

公営から民営にしたことで、水道料金が上がった国があります。

 

例えば、ボリビアは2年で“35%”、フランスは24年で“265%”

イギリスは25年で“300%”も、料金が上昇しました。

 

ボリビアでは、採算の取れない貧困地区では、水道管工事が行われていません。

 

仕方がなく井戸を掘って水を得ようとすると、「同じ水源だから」という理由で、

使用料を請求されることがあったそうです。

 

さらに追い詰められた住民が、川の水を飲んで感染症になり、

死亡するということもあったそうです。

 

こうしたこともあって、ボリビアでは暴動も起こりました。

 

それでも民営化?

海外では、公営から民営にしたものの失敗し、再び公営化に戻るという国が多いそうです。

 

こうした流れは2000年頃から起こっています。

 

日本はそうした流れに逆行しています。

 

これまで、小泉政権下で、すでに水道事業を民間に委託するという

法律はあったそうですが、自治体も企業もやろうとはしませんでした。

 

自然災害の多い日本は、企業にとってコストパフォーマンスが悪いというのが原因です。

 

今回の法案改正は、水道料金変更などの手続きの簡略化や、

災害があったときの責任を企業ではなく自治体が負うことが盛り込まれています。

 

水道管が壊れても、地域の人たちに水を供給する必要はないのです。

 

つまり企業にとっては、大変ビジネスがしやすい環境が用意されています。

 

なぜ気付かなかったのか?

私たち日本人にとって、水はあまりにも当たり前な存在です。

 

お風呂に毎日入ることができる国は珍しいそうです。

 

水に関して、恵まれた環境です。

 

ですから、問題意識が希薄だったということがあります。

 

また、水道法改正法案が衆議院本会議で可決された7月5日は、

マスコミがオウム真理教の麻原彰晃と幹部7人の死刑執行を

一斉に報道していたことも、影響しているそうです。

 

他の大きなニュースに目が奪われていたのです。

 

労働者も狙われている!

今年の5月31日に“働き方改革法案”が可決しました。

 

その中に“高度プロフェッショナル制度”(高プロ)があります。

 

これによって、“労働時間”“規制”が事実上なくなるそうです。

 

法案名からすると、高度な技術を持った専門職の人だけが対象のようにイメージしがちですが、

サラリーマンにも大きく関係してくるそうです。

 

元々、働き方改革は、長時間労働や過労死をなくすために掲げられた政策です。

 

ですから、高プロによって過労死は減るそうです。

 

なぜなら”過剰労働”がこの法律によって”合法”になるからです。

 

法律には、今起きている問題をなくす場合と

起きている問題を違法から合法にしてしまう場合があるそうです。

 

対象者は高収入者だけじゃないの?

世間では、“1075万円”以上の年収の人が高プロの対象と思われていますが、

実は、この数字は法律に書かれてないそうです。

 

対象となる年収は、これから決めると政府は言っているそうです。

 

では、この数字は一体何なのか?

 

1075万円というのは、厚労省の決めた基準平均給与の3倍と

若干色をつけた額ということで、出てきた数字だそうです。

 

ですから、年収が1075万円以下の人は関係ないということにはなりません。

 

しかも、基準平均給与は、もらえる額ではなく、もらう“見込みの額”です。

 

ですから例えば、会社から押しつけられた大量の仕事をこなせず、

半分しか終わらない場合に給料を半分にされても、

見込み額が1075万円を越えていると、高プロ対象者ということで、残業代が出ません。

 

“働き方”ではなく“働かせ方”改革だ!?

こうしたこともあって、野党議員は「過労死を増やすことになる」と

委員会で質疑し、追及をしたそうです。

 

それに対して政府は「労働者側からニーズがあって作った法律である」と言っていましたが、

途中から「企業の側から要望があった」と答えているそうです。

 

これでは、働き方改革ではなく“働かせ改革”になってしまいます。

 

派遣法ができたときも、最初は対象となる職種は限られていましたが、

いつの間にか増えています。

 

同様に、高プロの対象者も徐々に広がっていくのではないかと堤さんは危惧しています。

 

絶望から希望へ

法律は、私たちの代理として働く立法府の国会議員が投票して決めています。

 

そのため、間違った法律が通ってしまった場合は、元に戻すことができます。

 

ですから、わたしたちが選挙に行くのは当たり前のことです。

 

そして、自分の選挙区の国会議員に、声を届けましょう!

 

フランス・パリでは、水道事業を再公営化しています。

 

役所に任せっぱなしではなく、“市民”による“第三者委員会”を設けました。

 

何度も話し合いを重ね、そして情報も全てオープンしたそうです。

 

すると、これまで水道の話だけだったのが、様々な立場の人が参加することで、

未来の街づくりについて話し合うようになったそうです。

 

まず、こういう社会にしたいという理想が先にあって、

その中で水道はどういう位置付けにすればよいかと考えたそうです。

 

街全体のグランドプランを、一般市民が自分のこととして真剣に考え始めたのです。

 

それによって、噴水や有機栽培の畑を作ったり、

水質汚染を防ぐために、ゴミをなくす運動も活発になったそうです。

 

企業が事業を行う利点は、スピードです。

物事が早く決まっていきます。

 

しかし、民主主義に関わったり、街づくりをしていくことは手間がかかるものです。

 

早く答えが出る方がいいと思いがちですが、それが当てはまらないものもあります。

 

何から始めればいいのか?

まずは、知ることです!

 

知ることで選択肢が増えます。

 

モヤモヤとした違和感をそのままにせず、大事にしましょう。

 

そして、周りの人と話したり、自分から発信していきましょう!

 

≪今週の金のつぶやき≫

最後に、こんな話題を紹介しました。

 

中間選挙の行われたアメリカで、高齢者が若者に「投票に行かないで」と

呼びかけるCMが話題となりました。

 

トランプ大統領の支持者と言われている白人の俳優たちが、

「富裕層の減税?大賛成! わたしはめちゃくちゃ金持ちだ」や

「気候変動?それはあなたたち若者の問題です。私はすぐに死にますし」と

画面に向かって皮肉を言う内容です。

 

さらに高齢の俳優たちは「若者はけして投票しない」と嘲笑。

 

そして「しかし私は投票する。私はする」と繰り返します。

 

このように、CMは高齢者からの皮肉を使って、若者の投票率をアップすることが狙いでしたが、

その効果があったのか、従来よりも今回の中間選挙の投票率は高くなったようです。

(以上、11月4日 ハフィントンポスト 参照)

 

まずは知ること!

今夜は、堤さんのお話を聞いて、そう痛感したリスナーもいるんじゃないでしょうか?

 

知らない間に、自分たちの生活を脅かす法律がどんどん決められています。

 

しかし、知らないというのは自分の責任です。

 

そして、私たちに気付かれないようにその法律を通そうとする

政治家を選んだのも、私たちの責任です。

 

まずは何をすべきなのか、今夜の放送で、

その答えは明確に示されたんじゃないでしょうか?

 

あなたはどう感じましたか?

 

次回11月16日は、ジャーナリスト津山恵子さんをお迎えして、

「アメリカ中間選挙後」をテーマにお送りします!

 

聞いてちょーだい!!

投稿者 : kintubu|2018年11月11日