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2019年1月7日

#195 1月4日放送分 新しい学校

今回のテーマは、

「新しい学校のカタチ」でした!

 

教育現場が変わる!

“EdTeck”(エドテック)という言葉をご存じですか?

 

エドテックとは“Education”(教育)と、”Technology“(技術)を

組み合わせた造語で、”IT””教育”に活用することです。

 

エドテックの広がりで、今世界の教育現場では、ネットに繋がったパソコンがあれば

いつでもどこでも誰でも知的好奇心を満たせるようになり、

学びを自分で設計できるようになってきています。

 

例えば、アメリカでは子どもたちひとりひとりが習熟度に応じて、

”タブレット””動画”を見ながら、授業を受ける方法が導入されています。

 

日本は学習塾や予備校では、エドテックの活用が進んでいる一方で、

学校ではWi-fiの設備も乏しく、またITに詳しい先生が少なく、世界から大きく出遅れています。

 

文部科学省では、2020年度から小学校で“プログラミング教育”を必修にする予定ですが、

ITに関する人材は、およそ“29万人”も不足すると予想されています。

(以上、12月20日 日本経済新聞 参照)

 

ということで今回は、「あなたが通っている、もしくは通っていた学校はどんな学校ですか?

どんな特徴がありましたか?あなたの考える理想の学校は?」という質問を

リスナーに投げかけ座談会を行いました。

 

教育にブロックチェーン!?

Technology(技術)をEducation(教育)に活用したエドテックは、

世界中で広がっています。

 

アメリカ・スタンフォード大学などは、2012年から世界の一流大学の授業を

ネット配信する“大規模公開オンライン講座”“MOOC”(ムーク)を開講し、

今では“5000万人”以上の受講生がいます。

 

また、仮想通貨の基盤技術である“ブロックチェーン”も教育の現場で活用され、

生徒の受講記録を追跡し、個人の学習したデータを客観的にチェックすることができます。

 

その人が何を学んできたか一目瞭然で、改ざんすることができないので、

卒業証書よりも重視される時代が来るとも言われています。

 

日本はこれまで、公立校のパソコンなど情報機器をクラウドサービスに接続することを

条例で禁止している自治体が多く、エドテックの活用が進んできませんでした。

 

ですから、今早急な対応が求められています。

(以上、8月17日 日本経済新聞 参照)

 

≪ゲストコーナー≫

今年の4月にLoohcs高等学院を開校する、Loohcs(ルークス)代表

斎木陽平さんをお迎えして「新しい学校」についてお話を伺いました。

 

どんな学校なの?

Schoolを逆さまにして“Loohcs”という学校名(プロジェクト名)になったそうです。

 

既存の学校の悪い部分を改善して、子どもたちが主体となる学校を目指しています。

 

既存の学校は、指導が一方向になってしまったり、勉強することだけが目的になるなど、

教育のシステムが優先されてしまいがちです。

 

そうではなく、子どもたちが主体性を持ち、

自分の考えていることを積極的に表現するような高校を開校しようとしています。

 

例えば、文化祭などの学校行事も、生徒同士が話し合って、

「やるか?」「やらないか?」「いつやるか?」「予算はどうするか?」など

自分たちが決めていきます。

 

フィンランドでは、小学生の頃から自分たちが使う遊具を

どういうモノにするか、自分たちで決めているそうです。

 

とはいえ、全てを生徒に丸投げしているわけではなく、

「その値段の遊具だとお父さんやお母さんにこれだけ負担がかかるよ」など

教員は、ファシリテーターの役割を担い、フォローをしていくそうです。

 

これによって、社会に出てから必要となるコミュニケーション能力や、

自分の頭で考えることができる力を養うことができるそうです。

 

斎木さんは26歳という若さですが、こうしたことを教育に取り入れようとしている

高校の校長先生です。

 

ちなみに、Loohcs高等学院の本校は、代々木にあり、

その他大阪と福岡にサテライト校を開校予定です。

 

なぜLoohcsを作ろうと思ったの?

斎木さんは、高校生のときに通っていた学校の教育制度に不満を持っていました。

 

政治学に興味があったので、それを学ぼうと、

慶應大学の法学部政治学科への進学を考えていたそうです。

 

しかし、斎木さんの家系は医師が多く、また他の生徒の家庭も医師が多かったため、

教員から当然のように「国立大学の理系、医学部に進むべきだ」と言われたそうです。

 

「学校は進学実績を作りたいだけではないか?」と当時思ったそうです。

 

また地方の進学校ということもあって、国立大学の理系への進学がトップで、

次いで、国立の文系、私立の理系、そして私立の文系といった序列があったそうです。

 

理由や目的があって、私立の文系への進学を希望しているのに、

全く聞き入れてもらえませんでした。

 

こうした体験から「教育のあり方」を変えたいと思うようになったそうです。

 

重要な3つのC

AIやテクノロジーは言われたことを瞬時にこなすことができます。

 

斎木さんは、今の学校教育は、人間をそのように育てているのでは?と思っています。

 

これから必要になっていく能力は、

コミュニケーション、コラボレーション、クリエーションの”3C“で、

社会でひとりひとりが活躍していくには重要だそうです。

 

ですからLoohcs高等学院では、ビジネスやテクノロジーの授業では、

“ディスカッション”が中心になっているそうです。

 

AIをどう活用するのか?

Loohcsでは、普通の高校と同じように、国語や英語といった

一般的な科目も学びます。

 

学力の習熟度は、ひとりひとり違います。

 

できる子はもっと先に進みたいし、一方でつまずく子もいます。

 

しかし、一斉授業では、同じペースでしか授業は進みません。

 

Loohcsでは、学力はひとりひとりで学習していきます。

 

生徒ひとりひとりの学習の到達具合や、テストの結果をAIがチェックして、

どのような勉強したらよいか、提示してくれるそうです。

 

AIがその日に、やるべき勉強内容や参考書などを提案してくれます。

 

教員は元教育関係者

Loohcs高等学院は、午前中にひとりひとりが自分の学力を養い、

午後は、ビジネスやテクノロジー、クリエートなどの授業があるそうです。

 

教員は、今の教育に関して問題意識を持った元教員や

学習塾の先生など教育に関わってきた方が担います。

 

海外でも学べる

インド、ミャンマー、モンゴルにそれぞれ提携のインターナショナルスクールがあり、

そこで現地の生徒と一緒に、現地の社会課題を取り組むことができます。

 

新しい価値観がどんどん生まれてくる中で、自分の常識を疑う能力を

留学することで身につけて欲しいそうです。

 

不合格なら授業料返還!?

Loohcs高等学院では、難関大学の試験が不合格の場合、

支払った授業料が返還されるという制度があります。

 

緊張感を持って、3年間生徒と真剣に向き合っていくという思いから

こうした思い切った制度を設けたそうです。

 

また、斎木さんは、これまで8年間学習塾を経営してきたので、

その経験を活かして、生徒をサポートしていくことができるという強みもあります。

 

一方で、高校を選ぶということは、人生の大きな選択でもあるため、

その責任の重さも感じているそうです。

 

どんなことを学べるのか?

第一線で活躍している起業家、技術者、クリエーターから

ビジネス、テクノロジー、クリエイティブ=BTCを中心に学ぶことができるそうです。

 

在学中に起業体験もすることができます。

 

今や起業をすることは、年齢は関係ない時代です。

 

どうやったら起業できるかなどを学び、実際に起業していきます。

 

ちなみに、部活は自分たちで創部できるそうです。

 

教員はコーチ役

目的意識を持っていないと継続していくのが難しいカリキュラムなので、

教師は生徒のコーチ役、伴走者となって、やる気を引き出していくそうです。

 

そのため、教師と生徒とのコミュニケーションは非常に重要です。

 

AO義塾とは?

斎木さんは、在学中にAO・推薦入試専門の学習塾・AO義塾を起業しています。

 

AO入試とは、学校によっても異なりますが、

小論文や面接、プレゼンなどを取り入れて合否を決定する試験です。

 

一般的な筆記を中心とする試験と比べて、

コミュニケーションを重視する試験だそうです。

 

斎木さんも、慶應大学にAO入試を受けて進学しました。

 

今の若者は?

これまで多くの若者と接して、起業をするような、

または起業を考えているような目的意識を持っている子と、

スマホをずーっといじっているような無気力な子と二極化していると感じるそうです。

 

自分の好きな情報がどんどん取れるため、個性が強まっていきます。

 

起業したいと思う子は、起業できてしまいます。

 

自分のやりたいことだけをやっていればいいという環境があります。

 

ニュースなどもレコメンド機能によって、自分好みのニュースが手元にやってきます。

 

そうした背景もあって、ひとりひとりの個性が極端になっているのではないかと

思うそうです。

 

教育格差をどうするか?

Loohcs高等学院にも、独自の奨学金制度がありますが、

現行の制度では、生徒本人の意欲や能力は査定されません。

 

そこで将来的には、ブロックチェーンをつかって、自分がこれまでどんなことを

学んできたか学習履歴を披露し、それを担保としてお金を調達できるような

システムを導入しようとしています。

 

意欲のある学生は、これによって道を開くことができます。

 

生徒募集中!

Loohcs高等学院では、現在2期生の募集を行っています。

 

締め切りは、1月13日までで、WEB出願を受け付けています。

 

また、学校説明会や体験授業も行われていますので、

興味のある方はホームページ参照してみてください。

 

選択肢の1つとして、こういう学校もあるということを知るのもいいんじゃないでしょうか?

 

≪今週の金のつぶやき≫

最後に、作家・山田詠美さんの小説「ぼくは勉強ができない」のあとがきから

抜粋した文章を紹介しました。

 

高校二年生の時、私の担任の先生が私の家に来た。

物理の試験で二度も零点をとったためである。

彼は、その物理の担当だった。

「お宅のお嬢さんは授業態度も悪く、人の話を聞かない、授業中に小説を読み、

放課後になると男子生徒と寄り添ってそそくさと帰る。

もうどうしようもありません、お嬢さんのように自分の世界に入ってしまって

聞き分のない子は、将来は作家にでもなりゃいいんです」

 

どうしているだろうか、あの先生は。

私が、ほんとうに、作家になっちまったことを知っているだろうか。

物理の零点が、今の私の生活に、なんの影響も与えていないと解っているだろうか。

 

会いたい気がする。

今なら、私は勉強ができない、と開き直れるのだが。

 

次回1月11日は、医療ジャーナリスト木村良一さんをお迎えして

「インフルエンザ」をテーマにお送りします!

 

聞いてちょーだい!!

投稿者 : kintubu|2019年1月7日