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2020年1月13日

#246 1月10日放送分 魚の未来

今回のテーマは、

「魚の未来」でした!

 

魚がピンチ!

現在、漁業における“乱獲”が問題となっています。

 

乱獲とは、必要以上に水産物を獲ってしまうことで、資源が枯渇し、

海の生態系を壊すという事態を招いてしまいます。

 

海に囲まれた日本は、水産資源も豊富で、昔から魚の食文化が

独自の発展を遂げてきました。

 

しかし、ここ数年は漁獲量も減り、将来的に私たちの食卓に魚がのぼらなく

なるのではという不安の声も出ています。

 

果たして、魚の未来はどうなるのでしょうか?

 

ということで今回は、「あなたの好きな魚は何ですか?

おすすめの魚料理は何でしょうか?きれいな海を守るために

どんなことが必要だと思いますか?」という質問をリスナーに投げかけ、

座談会を行いました。

 

クロマグロの漁獲量が減少

すっかり新年恒例の風物詩となった“マグロの初競り”

 

豊洲市場で行われたその初競りでは、史上2番目の高値となった“1億9320万円”で、

クロマグロが競り落とされました。

 

人気寿司チェーン店の社長さんのあのポーズもすっかりおなじみですね。

 

日本人が大好きなそのクロマグロですが、ここ数年漁獲量が減少しています。

乱獲で資源が減少している太平洋クロマグロは、国際的な漁獲規制が導入されています。

 

サンマも減少傾向

昨年秋、サンマが過去にない大不漁ということで、値段が高騰しました。

 

全国さんま棒受網漁業協同組合によりますと、2019年の全国のサンマの水揚げ量は、

前年比の“66%”も減少しています。

 

これは、50年ぶりの“過去最低”記録の更新です。

 

海洋環境の変化、乱獲に加え、隣国である中国、台湾の漁獲量の増加によって

ここ数年日本ではサンマの不漁が続いているようです。

 

≪ゲストコーナー≫

シーフードレガシー取締役副社長村上春二さんをお迎えして、

「魚の未来」についてお話を伺いました。

 

どういう会社なの?

シーフードレガシーは、“サステナブル・シーフード”専門のコンサルティング会社です。

 

サステナブル・シーフードとは、魚が豊かな状態で次世代に継続していくことだそうです。

 

環境に配慮した漁業や水産品の普及に取り組んでいます。

 

例えば、漁師さんと持続可能な漁業について考え、科学的な側面からサポートをしたり、

漁師さんと市場をつなげる役割も担っているそうです。

 

また、水産物を売る人たちにも、持続可能な水産物を紹介したり、調達方針なども支援しています。

 

なぜこの世界に?

村上さんのお父さんは、イノシシ猟や磯釣りを趣味としていたそうです。

 

そういった背景もあって、小さいときから自然に親しんでいました。

 

アメリカ留学時代は、休みになると、アウトドアやバックパッキング、

ヒッチハイクでアメリカを横断したこともあるそうです。

 

綺麗な自然に出会い、守りたいという気持ちが強くなったそうです。

 

そこで、ビジネスと科学をツールとして、みんなが自然を守りたいと

思ってくれるような社会、仕組み作りをしようと考え、現職に至っています。

 

減少してている魚

“秋サケ”は、歴史的不漁が続いているそうです。

 

そのため、9年前の“50%”にまで減っています。

 

魚がどれだけ海にいるのかを表す“資源評価”というものがあります。

 

国が資源評価している魚のおよそ“7割”が限界ギリギリだそうです。

 

獲り過ぎ状態です。

 

そうしたこともあって、“イカナゴ”は地域によっては2016年から“禁漁”になっています。

 

原因は?

温暖化などの環境の変化や、獲り過ぎが原因です。

 

そのため、適切な“資源管理”が重要になってきます。

 

それには、漁師さんたちの知見や経験、そして科学的根拠が必要です。

 

現場の声

北海道まで来ることのなかったブリが最近獲れるようになったそうです。

 

こうした現場の声でも、海に変化が起こっていることが分かります。

 

消費量が上げっていく

世界的に“寿司ブーム”です。

 

サンマやマグロをはじめ、魚を食べる国が増えています。

 

また、2050年までに、世界の人口は“90億人”になるそうです。

 

人類が生存していくために、タンパク源が必要です。

 

そのため、人口が増え、ますます魚の消費量が上がっていきます。

 

どんな問題があるの?

水産資源を管理するためのデータやその道のプロが不足しているそうです。

 

データは、いつ、どこで、どれだけ獲れたか、どのくらい時間がかかったのか?などです。

 

こうしたデータが揃って初めて管理ができるそうです。

 

また売る側には、持続可能な管理された魚を売っているかどうかという課題があります。

 

有効な対策は?

“獲る人”“売る人”“食べる人”、それぞれに役割と責任があります。

 

例えば、“MSC認証”“ASC認証”というものがあります。

 

資源が豊かな状態で管理され、また漁獲方法が生態系に影響を与えていないなど

基準をクリアした魚に与えられます。

 

スーパーなどで売られている商品を見ると、認証された印として、ラベルが貼られているそうです。

 

そうした認証を取るために、漁業改善プロジェクトを頑張っている漁師さんたちがいます。

 

ですから、私たち食べる人=消費者は、認証された魚を積極的に購入する、

つまり消費行動によって、環境に配慮することができます。

 

売る側も、消費者のニーズがないからという視点ではなく、認証された魚や、

プロジェクトに取り組んでいる漁師さんから積極的に仕入れるという姿勢も大事です。

 

国の対策は?

2018年に“漁業法”が改正されました。

 

法律の中に、“サステナブル”=持続可能という文言が入ったそうです。

 

70年前は、EEZ(排他的経済水域)もなく、積極的にどんどん進出して漁を獲ってくることを

推奨していましたが、現在は資源不足状態です。

 

持続可能な漁業は必至であり、そのため法が改正されました。

 

日本のEEZの広さは、世界で6番目だそうです。

 

この範囲には、海洋生物種の20~25%が生息しています。

 

国として、資源が豊かになるように管理していく必要があります。

 

資源管理に成功した国は?

“ノルウェー”では、国が“サバ”を徹底的に管理することで、成功しています。

 

漁師さんたちの収益が上がったそうです。

ただ、日本がそれをそのまま真似しても成果は期待できません。

 

日本流の方法を考えなければならないそうです。

 

漁師さんは変わった?

毎日海に出る漁師さんたちは、変化を目の当たりにしています。

 

また、市場も変わってきています。

 

自分たちが意識を変え、接客的に持続可能な漁業に関わることで、

他との差別化を図れるということも徐々に知れ渡っているそうです。

 

私たちができることは?

人間も環境の一部と考え、消費活動を意識しましょう。

 

サステナブル・シーフードや持続可能な漁業を目指すプロジェクト商品を積極的に購入しましょう。

 

そして、今ある問題を他者へ伝えることも大切です。

 

このままでは?

国産の美味しい魚が減り、価格が上がってしまいます。

 

地域などで食べられてきた魚がなくなり、それが食文化にも影響します。

 

漁師さんや流通加工業者さんの仕事がなくなる可能性もあります。

 

それによって、地域の衰退に拍車がかかってしまいます。

 

また、他国に遅れをとり、日本が1人負けの状態になるかもしれないそうです。

 

そうした、水産業の衰退は避けなければなりません。

 

≪今週の金のつぶやき≫

釣れた魚を分け合う“フィッシング・シェアリング”というのを知っていますか?

 

兵庫県尼崎市の“武庫川渡船”は、釣り過ぎた魚を引き取って切り身に加工し、

市内の“子ども食堂”などに無償で提供しています。

 

同渡船の支配人・宮本さんは、釣果ゼロの人に、釣れた人からの魚のお裾分けを釣り場で行っていました。

 

そんな折、市内のイベントで子ども食堂の関係者と知り合い、

食材調達の現状を知ることになります。

 

食材の寄付やボランティアに支えられている子ども食堂では、冷凍保存が利き、

加工に手間がかからない肉が使われ、魚はほとんど使われていなかったのです。

 

そこで、宮本さんは子ども食堂への無償提供を思いついたそうです。

 

釣り過ぎた魚を釣り人から引き取り、それを下処理し、急速冷凍しておきます。

 

こうしてひと手間かけることで、おいしい魚を子どもたちに食べてもらうことができます。

 

宮本さんは「魚は限りある資源であり、命あるもの。しっかりおいしく食べて欲しい」と言っています。

(以上、2019年7月11日 毎日新聞 参照)

 

お裾分け、助け合い、そして自然から頂いている命への想い。

 

美しい環境とともに、そうした精神も未来に引き継ぎたいですね。

 

今夜の放送を聞いて、あなたはどう感じましたか?

 

次回1月17日は、第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト

西濱徹さんをお迎えして、「中東情勢と日本経済」をテーマにお送りします!

 

聞いてちょーだい!!

投稿者 : kintubu|2020年1月13日