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2020年1月19日

#274 1月17日放送分 中東情勢と日本経済

今回のテーマは、

「緊迫する中東情勢と経済」でした!

 

波乱の年明け!

2020年の年明けから“アメリカ”“イラン”の対立が懸念されています。

 

1月3日、アメリカ軍がイランの“ソレイマニ司令官”をドローンによって殺害しました。

 

これに対して、イランはイラク国内でアメリカ軍が使用する空軍基地に、弾道ミサイルによる攻撃を行っています。

 

新年早々、両国の対立により、中東情勢が緊迫しています。

 

果たして、アメリカとイランの対立は、世界、そして日本経済どんな影響があるのでしょうか?

 

ということで今回は「中東というと何を思い浮かべますか?

世界から争いをなくすには何が必要だと思いますか?」という質問をリスナーに投げかけ、座談会を行いました。

 

アメリカとイランの関係

そもそも、イランはアメリカ寄りの“親米王朝”でした。

 

ところが、その親米である“国王”の政治に不満を持った人たちが、

“イスラム教”“指導者”を押し立て、国王を追放し、イスラム教の教えを守る今の体制を築きました。

 

1979年のことです。

 

いわゆる“イラン・イスラム革命”と呼ばれている出来事です。

 

一方、アメリカは追放された国王を本国に受け入れました。

 

しかし、この一連の動きに対し、イランでは学生を中心に抗議が起こり、

首都・テヘランの“アメリカ大使館”に彼らが押しかけ、職員を人質に立てこもります。

 

大使館を占拠したその期間は、なんと“444日”でした。

 

この事件をきっかけに、アメリカとイランは国交を絶っています。

 

核合意から離脱

また、イランは、イスラム革命以後、“核”の開発を進め、世界を脅かしてきました。

 

それに対し、各国は“経済制裁”を課してきました。

 

ところが2015年にイランは、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国の6ヵ国と

核開発を制限する代わりに、経済制裁をゆるめてもらう約束を取り付けます。

 

これは、“イラン核合意”と呼ばれています。

 

安定したかに見えた関係でしたが、イランを敵と見なす、アメリカの“トランプ政権”は、

2018年に一方的に核合意から“離脱”し、経済制裁を再開します。

 

そんな中でのアメリカ軍による司令官の殺害。

 

イランは、核合意の制限を破り、“ウランの無制限濃縮”を始めると宣言しています。

(以上、1月8日、12日 朝日小学生新聞 参照)

 

≪ゲストコーナー≫

第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト西濱徹さんをお迎えして、

「中東情勢と日本経済」について、お話を伺いました。

 

年明けの日本経済

昨年10月に行われた“消費増税”前に、“駆け込み需要”が期待されていました。

 

9月の最終週になってドーンとあったそうです。

 

そのため、10、11月に入って、その反動が出たそうです。

 

しかし、その一方で、消費増税の影響はあまりないと感じている方が7割以上もいるそうです。

 

その理由として考えられるのが、ポイントが還元される“キャッシュレス決済”

食料品に適用される“軽減税率”です。

 

増税前より安く商品を購入できることもあって、あまり負担を感じていないようです。

 

ただ、家電や自動車は売れ行きが厳しい状態だそうです。

 

モノ、場所によって差異があります。

 

10%という数字はくせ者!?

2014年は、5%から8%の増税でした。

 

今回は、8%から10%です。

 

上げ幅は2%で、しかもポイントの還元などがあります。

 

ということで、家計から出て行くお金よりも、戻されるお金のほうが多くなっているそうです。

 

これでは、何のために増税したのかと言わざるをえません。

 

消費者のマインドは、昨年から落ち続けています。

 

10%という数字は計算しやすいので、それによって消費意欲が冷え込んでいるそうです。

 

アメリカとイランの対立原因

1963年にイランは“白色革命”が起こり、西洋化、近代化が図られます。

 

当時のパーレビ王朝は、石油を通じて、アメリカと繋がっていました。

 

しかし、1979年のイラン革命により“親米”“パーレビ王朝”が倒れ、

宗教指導者である“ホメイニ師”率いる“反米国家”が誕生します。

 

また同年末には、イランの“米国大使館”が襲撃され、

52人の大使館員などが444日に亘って、人質となる事態となりました。

 

当時の“カーター政権”は人質救出作戦に動きますが失敗。

 

これによって、1980年の“大統領選”で現職ながら、カーター大統領が敗北してしまいます。

 

これ以降、アメリカではイラン=悪というイメージが定着したそうです。

 

すべてを覆すトランプ

トランプ大統領は、オバマ前大統領の政策をことごとく覆しています。

 

オバマ氏が行ってきたことを嫌っています。

 

その中のひとつが、イラン核合意からの離脱でした。

 

コッズ部隊とは?

“イラン革命防衛隊”は、軍でありながら、インフラ投資を行ったり、国内企業も抱えているそうです。

 

いろいろな既得権益を持った組織です。

 

その中に、“ソレイマニ司令官”が率いていた“コッズ部隊”があります。

 

主に、“テロ”を行う部隊です。

 

ソレイマニ氏は、イランの中では“ロウハニ大統領”よりも、ポジションが少し上にあったそうです。

 

大統領よりも人気があったのです。

 

なぜ司令官を殺害したのか?

ソレイマニ氏は、昨年イラクやケニア東部の“米軍基地”を攻撃しています。

 

また、イラクの米国大使館に群衆が乱入するという事態が起こっていますが、

これを指揮したのが、ソレイマニ氏のコッズ部隊と言われています。

 

2012年には、“リビア”“ベンガジ”にあった“米国領事館”が襲撃されて、

当時の在“リビア大使”が殺害されています。

 

これによって、当時の“オバマ政権”“クリントン国務長官”への非難が高まります。

 

トランプ大統領は、「ベンガジの二の舞はさせないぞ」ということを再三言ってきたそうです。

 

自分は弱腰でないことをアピールしてきました。

 

そういった経緯もあって、ソレマイニ司令官殺害に至ったそうです。

 

大統領選を控えて

イランの米国大使館襲撃により、カーター大統領は選挙で落選しました。

 

また、リビアでの襲撃では、オバマ大統領、クリントン国務長官が非難を浴びました。

 

トランプ大統領は、「そうしたことにならないぞ」という意思表示が

今回の司令官殺害にも現れているようです。

 

大統領選挙でいかに勝利するか、またいかに自分がかっこ良く見せるかを考えているそうです。

 

経済への影響は?

現在、世界経済は減速傾向にあるそうです。

 

そんな中、日本は中東からの原油輸入に依存しています。

 

中東が緊迫すると、原油価格が上がり、それによって日本の物価も上昇します。

 

ガソリン、電気、ガス料金、国民所得にも影響が出てきます。

 

寸止め空手!?

アメリカもイランも全面対決は回避していますが、テールリスクはあるそうです。

 

テールリスクとは、極めて可能性の低いリスクのことです。

 

ただ、両国による散発的な報復攻撃が続いています。

 

例えば、空手には寸止めがあります。

 

練習をしているからこそ、相手の体の寸前で止めることができます。

 

しかし、練習をしていても、当たってしまうことはあります。

 

アメリカとイランは、お互いに練度が上がっていない中で、この空手の寸止めを行っている状態だそうです。

 

もしかしたら、相手に当たってしまう可能性もあります。

 

今後の展望は?

トランプ大統領自身は「戦争は割に合わない」と考えているそうです。

 

お金がかかるからです。

 

海外に派兵している兵士もどんどん本国に戻している状況です。

 

ですから、アメリカ側から仕掛けるとは考えにくいそうです。

 

一方、イラン側はアメリカと戦って勝てるとは思っていません。

 

核兵器も完成していません。

 

そうしたことを踏まえると、全面戦争にはなりにくいです。

 

しかし、イランがもしアメリカ軍基地を攻撃したときに、兵士が殺害されるようなことが起これば、

そのときは開戦となる可能性もあるそうです。

 

歴史的に見ても、思わぬ事件、事故が火種となって、最終的に大戦に繋がったこともあります。

 

偶発的な問題を起こさないようにするためにはどうすればいいか考える必要があります。

 

それには、周辺国も巻き込みながら、情報を把握しなければなりません。

 

アメリカは?

かつて、アメリカは原油輸入国でした。

 

ですから、輸入先の中東を支援する意味がありました。

 

しかし、この20年で“シェール革命”が起こっています。

 

それによって、今アメリカは“原油准輸出国”になっています。

 

中東に対して積極的に関わる必要がなくなっています。

 

またトランプ大統領は、”イスラエル”を支援しています。

 

イランは、イスラエルの敵です。

 

支援は自身の票にも繋がります。

 

トランプ大統領は、自分の岩盤支持層にいかにいいネタを提供するかという傾向になりがちです。

 

旅客機の誤爆

イランが“ウクライナ”の旅客機を誤って撃墜し、それを認めています。

 

イランはプライドの高い国で、これまで誤りをなかなか認めてこなかったそうです。

 

現在、イラン国内の景気が疲弊しています。

 

経済制裁が効いているそうです。

 

強硬派のハメネイ氏が絶対的権力を握っていますが、

そうした経済的事情もあって、穏健派のロウハニ大統領への期待も見え隠れしているそうです。

 

決して、一枚岩ではありません。

 

殺害されたソレイマニ司令官は、国民的英雄でした。

 

そうしたこともあって、強硬派のハメネイ氏は国内の引き締めのために、

アメリカへの報復に動かざるをえなかったのです。

 

旅客機の誤爆を認めたのは、ズルズルと誤魔化し続けると、自分たちの足下も揺らいできます。

 

そのため、早々と誤って攻撃したことを認め、国内でのまとまりを狙ったそうです。

 

トランプ政権の評価

トランプ大統領は、4割以上の岩盤支持層を持っています。

 

彼らには、今回のイランに対するスタンスは響いています。

 

トランプ大統領は、彼らに秋波を送ることを重視しているきらいがあります。

 

再び冷戦が!?

イランの後ろ盾になっているのは、“ロシア”です。

 

もしトランプ大統領が選挙で敗れて、“民主党”の候補者が大統領になると、

ロシアとの対立が再燃するかもしれません。

 

一方、中国は共通の敵をアメリカとするイランに秋波を送っているそうです。

新たな冷戦の幕開けとなるリスクがあるそうです。

 

アメリカ経済は?

昨年、“FRB”“利下げ”を行っています。

 

アメリカは景気が好調ですが、将来悪くなるかもしれないということで、市場にお金を出しました。

 

株式などの資産市場にお金が回っています。

 

リーマンショック前と後では、世の中に出まわるお金の量が違います。

 

雲泥の差だそうです。

 

先進国は、量的金融緩和によって、お金をばんばん市場にバラまいています。

 

アメリカ人は資産に占める株の割合が高いそうです。

 

株が上がると、消費ができて、景気が良くなっています。

 

本来は、景気が良くなって、株が上がりますが、反転している状態です。

 

日本の明るい兆しは?

過去のオリンピック開催国の状況をみると、景気のピークは開催前に訪れています。

 

スタジアムなどの関連施設の建設は開催前に終わってしまいます。

 

現状で、プラス材料をみつけることはなかなか難しいそうです。

 

≪今週の金のつぶやき≫

こどもと こどもは せんそうしない

けんかは するけど せんそうしない

せんそうするのは おとなと おとな

じぶんの  くにを まもるため

じぶんの こどもを まもるため

でも せんそうすれば ころされる

てきの こどもが ころされる

みかたの こどもも ころされる

ひとが ひとに ころされる

しぬより さきに ころされる

ごはんと ぱんは せんそうしない

わいんと にほんしゅは せんそうしない

うみと かわは せんそうしない

つきと ほしも せんそうしない

 

(谷川俊太郎さんの“せんそうしない” から一部抜粋して紹介しました)

 

次回1月24日は、株式会社アイル・キャリア五十嵐康雄さんをお迎えして、

「やる気の出る研修」をテーマにお送りします!

 

聞いてちょーだい!!

投稿者 : kintubu|2020年1月19日